ソン・ジュンギ、裏社会に生きる男に…『このろくでもない世界で』7月26日公開決定
2024年5月1日(水)17時0分 シネマカフェ
本作はある寂れた町を舞台に、継父からの暴力と貧困に喘ぐ18歳の少年ヨンギュと、彼の絶望漂う瞳にかつての自分を重ねた裏社会の男チゴンの物語。傷だらけのふたつの魂が交錯したとき、悲劇がさらなる悲劇を生み、彼らの運命は思わぬ方向へ走り出す——。
監督・脚本を手掛けたのは、社会の格差の闇を描き続ける韓国映画界の新たな才能、初長編作品となるキム・チャンフン。身体的痛みと心の叫びが渾然一体となった見事な脚本に惚れ込んだソン・ジュンギがチゴン役を熱望したことから、この企画が本格的に動き出したという。
ソン・ジュンギは「これは韓国映画界に絶対に必要なプロジェクトだと信じていたので、参加する機会を頂けて感謝している」とその理由を語っている。チゴンの属する犯罪組織の門を叩くほかなかったヨンギュは、仕事という名の“盗み”を働き、徐々に憧れのチゴンに認められていく。このろくでもない世界で、響き合ったふたりにほんの一瞬でも陽が注ぐことはあるのか?
ヨンギュ役に扮したのは映画初主演のホン・サビン、長編デビュー作のキム・チャンフン監督というフレッシュなメンバーのなか、「ヴィンチェンツォ」『ロ・ギワン』などで主演を務め、超話題のTVドラマ「涙の女王」にも“ヴィンチェンツォ役”としてカメオ出演するなど、飛ぶ鳥を落とす勢いのグローバルスターであるソン・ジュンギが果たした役割は大きい。
「トキメキ☆成均館スキャンダル」「太陽の末裔」などで活躍してきた彼が、大きく作り上げた体躯になまなましい傷を全身に刻んだ犯罪組織のリーダーという、これまで目にしたことのない姿で登場。表情や声のトーンまで徹底的に変身させて、チゴンというキャラクターをときに大胆に、ときに繊細に演じ切った。
その渾身の演技と若手チームとの協働がカンヌ国際映画祭&釜山国際映画祭の公式出品へ導き、第44回青龍映画賞では新人男優賞をホン・サビン、人気スター賞をソン・ジュンギが受賞。そして本年の百想芸術大賞映画部門にはソン・ジュンギの男性助演賞をはじめ、新人俳優賞にホン・サビンとキム・ヒョンソ、新人監督賞にキム・チャンフン監督がノミネートされる快挙となっている。
解禁となって場面写真でも、暗い部屋で眼光鋭くこちらを見据えるソン・ジュンギ扮するチゴンの姿が…。その瞳に生気は感じられず、虚無感を纏っていることが伝わってくる。薄汚れた顔には傷の跡もあり、闇組織に身を置く人間の悲哀さえも見て取れ、この役に懸ける彼の並々ならぬ覚悟がうかがえるカットとなっている。
『このろくでもない世界で』は7月26日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。