「虎に翼」ブームなるか 寅子・伊藤沙莉OPダンスが話題!演出も「目の表情」絶賛 ビヨンセMVに刺激

2024年5月11日(土)8時15分 スポーツニッポン

 女優の伊藤沙莉(30)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「虎に翼」(月〜土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)のオープニングタイトルバックが話題を呼んでいる。米津玄師の主題歌「さよーならまたいつか!」とともに流れる「ロトスコープ」と呼ばれるアニメーションと伊藤らが踊るダンスが特徴。担当した橋本万葉監督に制作の舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 向田邦子賞に輝いたNHKよるドラ「恋せぬふたり」などの吉田恵里香氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算110作目。日本初の女性弁護士・判事・裁判所所長となった三淵嘉子氏をモデルに、法曹の世界に飛び込む日本初の女性・猪爪寅子(ともこ)の人生を描く。吉田氏は初の朝ドラ脚本。伊藤は2017年度前期「ひよっこ」以来2回目の朝ドラ出演、初主演となる。

 サード演出の橋本監督は、ここまでで第3週「女は三界に家なし?」を担当。タイトルバックはアーティストのシシヤマザキ氏、ダンサー・振付師のyurinasia(ユリナジア)氏と作り上げた。

 「ロトスコープ」とは実写映像を基に作るアニメの技法。シシヤマザキ氏は水彩画風の手描きロトスコープアニメーションを独自の表現方法として確立。独特のピンク色を多用した作品は「シシピンク」と呼ばれ、シャネル・プラダ・資生堂などのプロモーションイメージ制作、昨年2月に行われたプロスケーター・羽生結弦さんの東京ドーム公演「GIFT」のアニメーションなどで手掛けた。

 yurinasia氏は大塚製薬「ポカリスエット」などのCM、Vaundy「花占い」、Snow Man「ブラザービート」などのミュージックビデオの振付で知られる。

 YouTube上には“トラつばダンス”を「リズム体操(ダンスフィットネス)」した動画も出現。16年10月期のTBS火曜ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の“恋ダンス”などに続くブームとなるか。

 ——タイトルバックのテーマは?

 小さな箱にギュッと押し込められていたものが飛び出た時に生まれる大きなエネルギーやその時に感じる気分の良さ。そういうものを表現したいと思って制作しました。「虎に翼」で描かれる当時の女性の生きづらさは、現代を生きる女性として私自身も今でも感じることが多くあります。寅子たちに共感する一方で、「今も変わらないんだ」と思って、しんどくなることもしばしば、いや、かなりあります。でも、少しずつでも変わっていることもある。そういう意味で、明治から現代までのたくさんの女性たちが躍ることで、解放される気持ち良さも感じていただきたいと思いました。今はしんどいかもしれないけど、いつか…!そんな気持ちで、何かに抑制されて生きづらさを感じているような方々が、少しでも良い気分で1日をスタートできると良いなと思っています。

 ——ダンスシーンの狙いは?

 どんなタイトルバックにしようかアイデアを集めていた時に、色々なミュージックビデオを参考に見ていたのですが、(米歌手)ビヨンセの「Run the World(Girls)」(11年)を見た時に、ビヨンセがたくさんの女性たちと踊っているシーンを見て、自分に力がみなぎる感覚を感じました。同時に、楽しさやスカッとする気持ち良さを感じ、元気が出ました。「虎に翼」を見ていると、現代にも通じるやり切れなさや悔しさを突きつけられる瞬間があると思います。でも、ダンスシーンがあれば、救われる瞬間も生まれるのではないか?と思ったことが最初のきっかけです。

 ——伊藤沙莉さんのダンスについて

 ドラマ本編の撮影をしていても、伊藤さんの眉毛の動きや目の開き方など細かい表情の変化による表現力の高さ、その種類の豊かさに唸る瞬間がたくさんあります。タイトルバックの素材撮影では、意味合いや表情の説明を行い、音楽に合わせて伊藤さんに動いてもらい、それをシシさんが撮影するという方法を採りました。

 タイトルバックの中で、寅子が倒れ込み、カメラが目に寄っていくところがありますが、具体的な台詞もないシーンで、目の表情だけであれだけの表現できるということは凄いことだと思います。現場でも素晴らしいと思いましたが、アニメーションになってもその力強さは全く薄れず、そこにシシさんの表現も加わって、とてもエネルギーに満ちた素敵なシーンに仕上がりました。たくさんの視聴者の方から「あの目のシーンが好き」と反響を頂き、やっぱり!とうれしく思っています。

スポーツニッポン

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