THE YELLOW MONKEY「最新にして原点回帰」4人が語る10thアルバムへの自信と東京ドームの景色

2024年5月12日(日)12時0分 オリコン

10thオリジナルアルバム『Sparkle X』最速試聴会&合同メディアインタビューに登壇したTHE YELLOW MONKEY=左から廣瀬洋一、吉井和哉、菊地英二、菊地英昭

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 ロックバンド・THE YELLOW MONKEYが9日、都内で行われた10枚目のオリジナルアルバム『Sparkle X』(29日発売)の最速試聴会&合同メディアインタビューに登壇。5年ぶりとなる節目の作品や先月27日に開催した東京ドームライブ、そしてバンドの現在についてなどをメンバー4人が語った。

 アルバムの1曲目「SHINE ON」のタイトルを冠し、バンド史上過去最多動員となる5万人の観客を集めた東京ドームライブ『THE YELLOW MONKEY SUPER BIG EGG 2024 “SHINE ON”』について、ボーカルの吉井和哉は「病気治療後の初のライブがドームで不安があったけど、ステージ袖に立った時にスイッチが入った。最後は声が枯れて課題は残ったけど、切羽詰まった状態がロックには必要。これからの人生は切羽詰まっていくので、いい勉強になりました」と振り返る。

 ドラムの菊地英二は「今までアリーナとか大きな会場でのライブでも『自分たちのカラーに染められた』と思っていたけど、東京ドームはそれができていない感じだった。ただ、今回のライブでは2階席まで自分たちのエネルギーで埋め尽くすことができたので、初めての感覚でした」と手応えを明かした。

 そんな東京ドームライブと連動している新アルバムは、紆余曲折を経て2016年に再集結し、進化を続けるバンドの最新にして原点ともいえるロックンロール11曲が収録された。吉井は「声が出せない日が続いて、でもドームライブがあってひもづいたアルバムというスケジュールがあったので、この声を生かすには自分の得意なところで作るしかないとベタなものにすがって。あとはメンバーの演奏で華やかにしてもらいました」と紹介する。

 ベースの廣瀬洋一も「自分の立ち位置や東京ドームライブのあとに出るアルバムとインプットされていて、その上での原点回帰。新しいけどイエローモンキーっぽいっていう集大成」と出来栄えを語ると、吉井も「ロックのフォーマットを見つめ直した。我々も通過してきたけどチャレンジしていないフォーマットでやろうと。ラップの要素とかは一切ないです」と自分たちのルーツから誕生した作品と胸を張った。

 10曲目「MakeOver」を作詞作曲したギターの菊地英昭は「自分たちの活動休止やコロナでいろんなことがあって、歌詞を書かせてもらうなら形にしようかと。世界中では戦争も起こって、人は道を踏み外すけど、Pura Vida=素晴らしい世界に向けてちょっとでもいいから歩み出そう」と曲に込めたテーマを明かす。

 吉井は「歌詞を手伝って言われたけど、エマ(菊地英昭)の歌詞には独特の男っぽさがあるのであえて一人で書いてもらって。そうしたら自分からは出ない言葉があって、それを歌う楽しさもありました。エマの曲はもっとイエローモンキーの中で確立されていくと思う」と喜んだ表情を見せた。

 さらに、弟の菊地英二についても「兄貴の曲になると抜群の手腕を発揮する。僕の曲はつまらないんだろうね(笑)」とイジりつつ、「イエローモンキーの中に“菊地家”という新しいジャンルができつつある」とバンドのさらなる可能性に期待した。

 4人は「これまで応援してくれたファンはもちろん、若い世代にも聴いてほしい」と口をそろえる。サブスク時代となり、アルバム単位ではなく自分の好きな曲を集めたものや、誰かがおすすめするプレイリストを聴く人も多くなった。そんな時代にあえてアルバムとしてリリースする意義を聞かれた吉井は、「アルバムっていう昔のガチガチの考え方は、少しずつ薄れてきてるよね」と切り出して、こう答えた。

 「昔は曲間とか次の日にもう1回マスタリングしてもらって『2秒ずらす』とかやってたんですよ、本当に無駄だったと思うし(笑)。憧れだった海外レコーディングも、昔とは違う価値観になって。時代は変わっているので順応していってるつもりではあるんですが、普遍的な集中力が続く時間は、45分とか60分とかだと思うので、今回のアルバムもそのくらいの曲順でシンプルに作りました。聴かれ方は変わってるかもしれないけど、1曲1曲に魅力があって、もう1曲聴いてみたい、突っ込んでアルバムを聴いてみたいなって魅力が明らかにあるアルバムになっていると思っています」

 そして、「コロナ前とかは『イントロが長いと飛ばされちゃうよ』って言われて気にしてたんですけど、今はもう気にしなくなって『イントロは長くなきゃダメだ!イントロで1曲なんじゃ!』みたいな(笑)」とベテランロックバンドの矜持ものぞかせながら、「でも試行錯誤はけっこうしながら曲を作っているし、レコーディングでもいろんな見方はしてるつもりではあります」と進化を続けていく決意を宣言した。

 今月21日にのデビュー記念日に、ファンに向けた視聴会を東京・名古屋・大阪で開催する(招待イベント、応募フォームは公式サイトより。12日午後11時59分締め切り)。

オリコン

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