元世界3階級王者がネリ戦の井上尚弥の凄さを解説 驚いたという「めちゃくちゃ凄い技術」とは?

2024年5月12日(日)11時31分 スポーツニッポン

 元世界3階級王者の八重樫東氏(41)が12日放送のフジテレビ「ワイドナショー」(日曜前10・00)に出演。6日に行われた4団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(31=大橋)が挑戦者ルイス・ネリ(29=メキシコ)を6回1分22秒TKOで下し、防衛に成功した試合を振り返った。

 34年ぶりの東京ドームでのボクシングビッグマッチ。尚弥は1回にダウンを喫しながらも、2回にダウンを奪い返すと、5回には超接近戦での左フックで2度目のダウンを奪った。ダメージを蓄積させた中で、6回に右ストレートでネリをマットに沈めて防衛に成功した。

 八重樫氏はセミファイナルで勝利し、WBO世界バンタム級新王者に輝いた武居由樹のトレーナーを務めていたため、尚弥の試合は医務室のモニターで見ていた。1回の、尚弥の信じられない光景に「武居と2人で見てて、コロンと倒れたじゃないですか、エエーッとなってびっくりしました。やっぱり」と驚かされたと話した。

 「本人は気が付いたら倒れてたって言ってたんで、ダウンってそういうもので、僕も何度か倒れてるんですけど、パンチをもらった感覚がないんですよ。気が付いたら地面に倒れていて」。ネリの左フックは井上は「完全に見えてなかったですね」と解説した。

 それでも「落ち着いてましたね」と断言。「これはちょっとびっくりなんですけど、ダウン経験がない選手っていうのは慌てて立とうとするんですよ。あっ、やられた、と思って。自分もそういう経験があるんです」と八重樫氏。だが井上については「彼の場合は冷静で、あっ、大丈夫、倒れたんだ。1回休んで8カウントで立とうと思ったみたい。そんなことなかなかできない」と対応力を称賛した。

 2ラウンド以降のボクシングは心配ではなかったかと振られると、「心配でしたね」と言い切った。「ネリのパンチの軌道とか、タイミングって凄く尚弥に合ってて、結構このタイミングでもらったら危ないっていうビュン、ビュンってパンチが交錯してたんで、だから2ラウンドで1回ダウンを取って、あっ大丈夫かなと思ったんですけど。まだそれでもそういうのがあったんで」と話した。

 2ラウンドでダウンを奪っても「そこでイーブンなんで、こっからまだ分からないというのがあったんで」という。「3ラウンド以降でようやくタイミングとか距離とかっていうのをつかんでいったような感じで。4ラウンド目はちょっと安心して見ていられたんですけど」と振り返った。

 さらに「最後の倒すパンチも僕の中では凄くて」と試合の終わらせ方にも賛辞を送る。フィニッシュの右ストレートを放つ前に「右アッパーを打って、その後にネリが左ボディーを打ってくるんですよ」と反撃にあったが「それを尚弥は右手でガードして、そのまんまエイっと(打つ)」と再現。「こんなことする選手はあんま見たことなくて」「そのスキルに僕は驚いて」と凄さを語る言葉は尽きなかった。

 普通は「こう来て、ブロックして、こっちを返すとか」とブロックした腕と反対側の腕を出すとし、「そのまま(同じ手で)エイっと打つ、海外ではたまにあるんですけど、それをガチーンじゃなくってスポーンって(簡単に)打つんですよ。その技術に。スコーンって倒れて、ウワーすげえと思って」「めちゃくちゃ凄い技術です」と絶賛した。

スポーツニッポン

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