西山朋佳の駒は退かない 西山女王が快勝で7連覇達成 第17期マイナビ女子オープン五番勝負第3局

2024年5月13日(月)11時30分 マイナビニュース

西山朋佳女王に大島綾華女流二段が挑む第17期マイナビ女子オープン五番勝負の第3局が5月12日(日)に神奈川県藤沢市の「時宗総本山 遊行寺」で行われました。対局の結果、得意の三間飛車を駆使して攻め切った西山女王が127手で勝利。相穴熊のねじり合いを制して女王7連覇を達成しました。
○女王の意表を突いた持久戦策
開幕2連勝で迎えた本局で西山女王はノーマル三間飛車を採用。先手番としては本シリーズ2局連続での戦型選択です。対する大島女流二段が銀冠の持久戦策を採ったのは、第1局で得意の急戦策が不発に終わったのを受けた変化。自身の対振り飛車二本柱のひとつです。
西山女王が穴熊に組むと大島女流二段も銀冠穴熊に囲いを発展。金銀がきれいに密集する振り飛車陣と、2枚の金銀が浮く居飛車陣が好対照となりました。実戦はここから西山女王の巧みな戦術が光る展開に。2筋で歩をぶつけて攻めの拠点を作ったのがその始まりです。
○たどり着いた7連覇
戦機を得た西山女王の攻めは止まりません。取られそうな角をガツンとぶつけて金との交換を迫ったのは、この戦型特有の損得計算。直後に拠点の歩が残ることも織り込み済みで、この歩がと金になったことで先手優勢が明らかに。後手は右銀が働きのない駒になっています。
右辺一帯を制圧した西山女王の指し手は冷静でした。終局時刻は16時22分、最後は詰みを認めた大島女流二段が投了。仕掛けから駒を引く手を一度しか指さなかった西山女王の前進流の快勝譜となりました。桂吊るしの詰みまで指された終局図は大島女流二段の悔しさを物語っていました。
これでシリーズ通算3勝0敗とした西山女王は女王7連覇を達成。「年下の女流棋士との防衛戦は初めてで刺激をもらった。(新鋭に勝つことができて)充実したシリーズだった。」と喜びを語りました。
水留啓(将棋情報局)

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