コメ流通専門家 今後のコメ価格に「生産コストも上がっている...3年前の5キロ2千円みたいな世界には...」
2025年5月14日(水)9時24分 スポーツニッポン
コメの流通に詳しい流通経済研究所首席研究員の折笠俊輔氏が14日、フジテレビの情報番組「サン!シャイン」(月〜金曜前8・14)に出演。コメ価格が18週ぶりに値下がりしたことに言及した。
農林水産省は12日、全国のスーパーで4月28日〜5月4日に販売されたコメ5キロ当たりの平均価格が4214円だったと発表した。過去最高値だった前週より19円安く、18週ぶりに値下がりに転じた。ただ小幅な下げにとどまっており、前年同期と比べなお2倍の高水準。今後、持続的な値下がりにつながるかどうかが課題となる。
備蓄米の大半は全国農業協同組合連合会(JA全農)が落札し、卸売業者への売り渡しを進めているが、今月8日時点で出荷したのは落札数量の32%(6万3000トン)にとどまっている。一段のコメの値下がりにはさらなる流通拡大が不可欠だ。政府はJA全農に対し、速やかな供給を求めている。
全国農業協同組合中央会(JA全中)の山野徹会長は13日、定例記者会見で「備蓄米の効果が出始めた」との認識を示したうえで、現在の価格について「決して高いとは思っておりません」と話した。一方、江藤拓農相は13日の閣議後記者会見で、コメの店頭価格が18週ぶりに値下がりに転じたことを歓迎した上で「消費者の方々が大いに評価する水準にはない」と述べた。
折笠氏は、今後のコメ価格について「生産コストも上がっている。例えばトラクターを動かすための燃料代、農薬代、肥料代、全部高騰している」とし、「3年前の5キロ2000円みたいな世界にはおそらく戻ることはない」と自身の見解を述べていた。