「出演すべきか最後まで思い悩んだ」 映画『関心領域』リアルな演技の秘密に迫る特別映像解禁

2024年5月23日(木)12時0分 クランクイン!

第76回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞、第96回アカデミー賞では国際長編映画賞、音響賞の2部門に輝いた映画『関心領域』(明日24日公開)より、ザンドラ・ヒュラーら演者が本音語る特別映像が解禁された。

 本作は、英国の作家マーティン・エイミスの同名小説を原案に、『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』のジョナサン・グレイザー監督が10年もの歳月をかけて映画化したもの。製作は映画スタジオ・A24。

 「The Zone of Interest(関心領域)」とは、第二次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランド・オシフィエンチム郊外にあるアウシュビッツ強制収容所群を取り囲む40平方キロメートルの地域を表現するために使った言葉。映画では、アウシュビッツ強制収容所と壁1枚隔てた屋敷に住む収容所の所長とその家族の暮らしが描かれる。

 初お披露目となった第76回カンヌ国際映画祭にてグランプリを受賞、トロント映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、全米映画批評家協会賞など各地の映画賞を続々受賞し、第81回ゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)ほか3部門にノミネート。第77回英国アカデミー賞では英国作品賞、外国語映画賞、音響賞、第96回アカデミー賞では国際長編映画賞、音響賞の2部門を受賞している。

 主人公のルドルフ・ヘス役を演じるにあたり、ジョナサン・グレイザー監督から「真実を語る時は目で嘘をついて、目で真実を語る時は言葉で嘘をつくように」というアドバイスをもらったと明かすクリスティアン・フリーデルは、キャラクターについて「彼は何を考えてるのか読み取れないはずだ。彼はいたって普通で時には退屈な男に映る。加害者には見えない」と分析。妻のヘートヴィヒを演じたザンドラ・ヒュラーは「ヘス家のことは知らなかった。出演すべきか最後まで思い悩んだ」とオファーをもらった時の心境を告白している。

 そんな2人が演技に集中できるよう、ジョナサン・グレイザー監督はヘス家が暮らした空間を用意。演者の目に入らないよう家や庭のあちこちに無人カメラを設置し、監督らスタッフは地下で機材を操作。延々とカメラを回し続け、彼らがどのように動くかを“観察”していたという。膨大な撮影データを細かく繋げていく編集作業もかなりの労力を要するが、監督は「360度どこを見渡しても居住空間が広がってる。だからリアルさが増した。撮影した映像を並び替え、伝えたいストーリーを組み立てていった」と演者の自然な動作を中心に映画を作り上げていったと明かしている。

 さらに主演の2人について「(ルドルフとヘートヴィヒを)今の私たちを写す鏡としてもとらえた。2人は真実を伝えることに心血を注いでくれた」と絶賛。アウシュビッツ収容所の隣で幸せに暮らした家族を演じきった俳優たちの名演への期待が高まる。

 映画『関心領域』は、明日5月24日より全国公開。

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