土屋太鳳を魅了した“あぶ刑事コンビ”舘ひろし・柴田恭兵「こんな役者、いないです!」

2024年5月24日(金)12時0分 オリコン

舘ひろし・土屋太鳳・柴田恭兵の3ショット (C)ORICON NewS inc.

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 1986年にテレビドラマ放送がスタートした『あぶない刑事』。2016年に公開された前作『さらば あぶない刑事』で刑事を引退した鷹山敏樹と大下勇次のコンビが、8年ぶりに映画『帰ってきた あぶない刑事』としてスクリーンに帰ってきた。最強コンビを演じるのはもちろん舘ひろし(74)と柴田恭兵(72)だ。さらに鷹山と大下の旧知の仲だった女性の娘である彩夏に扮する土屋太鳳(29)が物語のカギを握る人物として登場する。時代と共に変化しつつも、スタートから38年という歳月が流れた今も変わらないダンディズムとセクシーさを放ち続ける舘と柴田、そして新しい風として挑む土屋の3人がほのぼの鼎談(ていだん)を行った。

■何年間が空いても、一瞬にしてタカ&ユージ

——8年ぶりとなる最新作。舘さんと柴田さんはどんな思いで作品に参加されたのでしょうか?

舘:僕は常に恭サマ(柴田恭兵)と一緒に仕事がしたいと思っているので、すぐに「ぜひやりたい」と言いました。

柴田:前作から8年ぶりとは思えなかったですね。1週間が3日ぐらいに感じるんですよ(笑)。今作では“2人の娘かもしれない人物”を登場させたいという話を聞いて、ワクワクしました。もしかしてこれまでタカとユージが出したことのない一面が出せるんじゃないかと思ってね。

——時間が長く空いていても、タカとユージの関係性にはすぐに戻れるものなのですか?

舘:そうですね。(仲村)トオルもオンコ(浅野温子)も同じなのですが、顔を合わせたらすぐに昔に戻れる。8年間も時間が経っていたという感覚はまったくなかったですね。

——土屋さんは、そんな長く愛されている作品に飛び込むお気持ちというのは?

土屋:とても光栄なことで、オファーをいただいてすぐに「絶対にやりたい!」とお伝えしたのですが、いざ現場に参加する時は、言葉で言い表せないぐらい緊張しました。

舘:そうなの? まったく緊張している風には見えなかったけど(笑)。堂々としていたよね。

土屋:そんな。本当に緊張していましたよ。でもあまり緊張していると思われるのも失礼かなと思って、一生懸命隠していたんです。

——土屋さんは彩夏という役をどのように捉えていたのですか?

土屋:映画『キャバレー』(1986年)の倍賞美津子さんをイメージしました。タカとユージに出会って、前に進むキャラクターになればいいなと思って現場に臨みました。それでもやっぱり初日のときは彩夏が定まらなくて。柔らかい感じで演じようと思ったのですが、監督から「もっと強く」と演出を受け、調整しながら進みました。

舘:そんなに深く考えてやっていたんだね。すごいね。

柴田:僕が印象に残っているのは、屋上でダンスを踊るシーン。僕が太鳳さんに「こういうダンスにしてみたいんだけれど」と提案して、2人で踊って合わせたんですよね。太鳳さんはダンスができるし、体のキレも良い。それに走るとスピードもあって、とても素晴らしい俳優さんだなと感じました。

——柴田さんも、かなりのロングランがありましたよね。

柴田:結構な距離を走ったのですが、カットされているんですよね(笑)。

土屋:本当に足が速くて、ついていくのが精一杯でした。

柴田:いやいや、年相応ですよ(笑)。

■舘と柴田から見た土屋の芯の強さ

——劇中には往年のファンも唸るようなシーンが満載でしたが、それぞれ印象に残っているシーンはありますか?

舘:僕は、吉瀬美智子クン(ステラ・リー役)を後ろから抱き締めるシーンですね。手に持っていたコートを下に落とす動作は台本になかったのですが、僕は非日常の動きがすごく好きで、どうしても入れたかったのでお願いしました。

柴田:舘さんは過去に5人ぐらいの女性にこれをやっています(笑)。

舘:やってないよ(笑)。

柴田:僕はラストシーンですね。あのシーンは予期せぬ感じになってしまって…。詳細は作品を観ていただければと思いますが。あとは「ナイスショット!」ですね。

——土屋さんは作品に入る前に過去作はご覧になったのですか?

土屋:以前、母に勧められて作品を見ていたので内容はわかるのですが、改めて見るかはかなり迷いました。でも物語の構成上、私は2人の過去を知らない方がいいなと思ったので、知らない状態で入る決断をしました。

——完成した作品をご覧になっていかがでしたか?

土屋:最高でした。とても勉強になりましたし、刺激的な現場でした。毎日楽しかったですし、撮影が終わったあと“あぶない刑事ロス”になったぐらい。ずっとマネージャーさんに、寂しいので舘さんや恭兵さんに会いたいって言っていたんですよ。

——舘さんや柴田さんから見て土屋さんはいかがでしたか?

舘:僕には子どもがいないので、彩夏にどう接したらいいのか結構悩みました。その気持ちは鷹山にも反映されていると思うんです。その距離感の違いというのは、とてもおもしろかったですし、土屋クンがとてもうまく演じてくれたと思います。芯が強いですよね。

柴田:この作品のラストシーンは神戸で撮影したのですが、台風の影響で予定通り進まなかったんです。結局翌年の撮影になったのですが、太鳳さんはプライベートでもさまざまな経験されて、もしその間に印象が変わっていたら…役を忘れていたら、前のシーンと繋がらないのではと、心配していたんです。でも元気にたくましく“彩夏”として帰ってきてくれて……。本当にすごいことだと思いました。太鳳さんの根っこの部分の強さに助けられました。

■あぶ刑事40周年への期待

——昭和、平成、令和と続く『あぶない刑事』シリーズですが、変わるべきところと、変わってはいけないところという意識はありますか?

舘:僕はあまり時代を意識していないんですよね。そのとき感じたことを表現しているだけで。監督やカメラマンなど若い人たちが今回の現場にはたくさんいたので、僕らが変わらずとも、必然的に新しい作品になっていると思います。

柴田:僕はシリーズが始まって何年かしたころ、タカとユージってアニメのキャラクターっぽいなと感じたことがあったんです。どんな時代になっても『アンパンマン』や『クレヨンしんちゃん』って変わらないじゃないですか。それを見てもらって楽しんでもらえればなという思いですね。あまり時代とともに変化していくということは考えていないですね。

——2026年には『あぶない刑事』40周年を迎えます。この先も期待してしまいます。

舘:きっと体力が続かないですよ(笑)。

柴田:ファンの方から「こんなタカとユージを見たい」というのを募集しますので、そのなかで「これはおもしろい」というものがあればやってみたいですね。

——土屋さんはどんなタカとユージを見たいですか?

土屋:迷い猫を探しているタカとユージが見たいです。たくさん戦ったので、とにかく2人には笑っていてほしい。でも、ハーレーに乗って銃を撃つシーンもご本人が演じられているんです。そんな俳優さんいないですよね。これからもブレずに、ゴージャスでダンディーでセクシー、そしてコミカルな2人でいていただきたいです。

取材・文/磯部正和
写真/山崎美津留

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