アダム・ドライバー、フェラーリを爆走させ新境地「1秒でも気を抜けば死に直面すると思った」命がけの役づくり
2024年6月20日(木)12時0分 オリコン
アダム・ドライバー、マイケル・マン監=映画『フェラーリ』(7月5日公開)メイキング(C) 2023 MOTO PICTURES, LLC. STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
元レーサーにして、カーデザイナー、そして自ら立ち上げたフェラーリ社をイタリア屈指の自動車メーカーへと成長させたエンツォ・フェラーリ。だが、その私生活は謎に包まれ、1988年に亡くなってから現在まで、多くの毀誉褒貶に晒され続けている。本作は1957年、59歳だったエンツォの波乱と激動の1年を描く。
主人公エンツォ・フェラーリを演じたアダム・ドライバーは、クリント・イーストウッド、スティーヴン・スピルバーグ、マーティン・スコセッシ、ジム・ジャームッシュ、そしてリドリー・スコットら、そうそうたる巨匠たちから引く手あまた。元海兵隊員という異例のキャリアを持ち、その強靭な精神力でさまざまなキャラクターを演じてきた。
今回もエンツォの人生を徹底的に調べ上げ「エンツォの原動力は敗北感や屈辱だ。僕もこの業界にコネが無かったが演技への情熱や自信を頼りに突き進んでいった。彼の厳しさや野心、目前のことへの没頭感に共感した」と振り返る。自身の挫折とエンツォの挫折との意外な共通点を役作りにも活かす徹底したは姿勢は本作でも健在だ。
マイケル・マン監督も撮影を振り返り「アダムの中にエンツォがいた。アダムはエンツォの心の状態や彼が周囲に抱く感情を再現していたよ」とその憑依ぶりと役者魂を絶賛。
さらに、役づくりのため実際のレース場でフェラーリでの走行に挑戦したアダムは「高速で走りながらカーブの頂点を探る。少しのロスが記録に響くんだ。レースでの集中力を知り彼を理解した。ビジネスへの姿勢やレーサーとしての精神をね。1秒でも気を抜けば死に直面すると思った」と命がけの役づくりを振り返りつつ「的外れでも自分の演技を知るために挑戦するのは大切だ。満足のいくシーンの決定権は監督にある。僕はタイミングを逃さず全力を尽くすだけだ」とまさにエンツォ・フェラーリのごとくストイックかつ命知らずな役者観を語っている。