グザヴィエ・ドラン監督「テーマは愛」『マティアス&マキシム』で問いかけるものとは?

2020年9月24日(木)18時25分 シネマカフェ

グザヴィエ・ドラン『マティアス&マキシム』 (C)2019 9375-5809 QUEBEC INC a subsidiary of SONS OF MANUAL

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グザヴィエ・ドラン監督が友情と恋の物語として描いた最新作『マティアス&マキシム』。この度、ドラン監督が昨年のカンヌ国際映画祭にて受けたインタビュー映像が解禁となった。



幼い頃から共に育ってきた幼なじみの間に、突如芽生えた恋愛感情を繊細に描いた本作の根底にあるのは「友情」。なぜ男性同士の友情について描こうと考えたのか聞かれたドランは「子供の頃に見た映画が影響してると思う。そういう作品に敬意を払いたかったんだ。『アウトサイダー』とか男の友情がテーマの映画さ。でも直接ヒントを得たのは僕の友人たちから。彼らとの友情について語りたかった」と語り始める。


今回は実際に自身の友人をメインにキャスティング。しかし、アドリブによる即興演技は一切入れなかったという。「僕は磨きのかかった脚本に沿って撮ることを好む役者と念入りにリハーサルをして完成度を高めていくんだ。話し方やイントネーションはもちろん、英語やフランス語のレベルも差をつける。本作もそのように準備して撮影に臨んだ。そうすることで、彼らの親密な関係を表現することができた」と語り、たとえ気心の知れた友人たちに囲まれた環境でも、自身のスタイルを貫くクリエイターとしての姿がうかがえる。

また、セリフだけでなく、視線のやり取りやふとした仕草にも注目してほしいというドラン。監督がそう語るように、本編では戸惑いや嫉妬、心配や愛おしさが相手を見つめる視線1つで雄弁に語られている。「たった一度のキスを機に彼らは気付く」と語るドラン。


「人は感情を揺さぶられてから魅力を感じるとね。“魅力”じゃないな、“欲望”の方が正しいね。2人は1回のキスに完全に翻弄されてしまうんだ。そのことが頭から離れなくなり、友情関係にも次第に影響が出てくる」と語り、「つまり、この映画のテーマは決して同性愛ではない。テーマは愛なんだ。その瞬間が突然やって来た時、どう反応すべきか」と語り、観客に問いかけたいテーマについて明かしている。

『マティアス&マキシム』は9月25日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。

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