“セクハラ”問題の米大物プロデューサー…解雇&被害公表拡大でハリウッドの反応は?

2017年10月11日(水)19時7分 シネマカフェ

ハーヴェイ・ワインスタイン-(C)Getty Images

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ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインが女性たちに対し、数十年にわたってセクシャルハラスメントをしてきた事実が報道され、スター女優たちの中からも被害者が名乗り出ている。

■ハーヴェイ・ワインスタイン…「ワインスタイン・カンパニー」から解雇
10月5日(現地時間)、「ニューヨーク・タイムズ」紙はワインスタインが約30年もの間、女性従業員に性的嫌がらせを繰り返していたと報道。それを受けて、ワインスタインが弟のボブと設立した「ワインスタイン・カンパニー」から解雇された。弟のボブとは、祖父母の名を冠した製作会社「ミラマックス」で良作を作り、90年代のアカデミー賞で常勝していたプロデューサーであり、民主党の強力な支持者としても知られる大物失脚の衝撃は広がり続けている。


5日の告発記事では90年代に活躍したアシュレイ・ジャッドやローズ・マッゴーワンらが実名で証言。ツイッターなどSNS上でハリウッド・スターたちがその勇気を称え、ワインスタインを非難した。ワインスタインは自身の振る舞いが「多くの苦痛を与えた」と謝罪声明を発表したが、8日(現地時間)に「ワインスタイン・カンパニー」を解雇された。

■続々と被害公表…オスカー女優たちも告白
解雇後も非難は収まるどころか、ついにグウィネス・パルトロウやアンジェリーナ・ジョリーといったオスカー女優たちも被害を受けていたことを告白した。

グウィネスは22歳のとき、ワインスタインが製作した『Emma エマ』(96)の主演に抜擢されたが、撮影前にペニンシュラ・ビヴァリーヒルズ・ホテルのスイートルームでの打ち合わせを持ちかけられた。新人女優だった彼女は言われるままに部屋へ行くと、ワインスタインは彼女の体に手を置き、ベッドルームでのマッサージを促したという。グウィネスはこれを拒絶し、当時交際していたブラッド・ピットに打ち明け、ブラッドはワインスタインと対決したが、直後にグウィネスはワインスタインから、このことは誰にも話すなと警告されたという。「彼に解雇されると思った」とグウィネスは「ニューヨーク・タイムズ」紙に語った。


アンジェリーナも同紙に「若い頃、ハーヴェイ・ワインスタインとの間に嫌なことがあった。だから、彼とは絶対に仕事をしないと決めたし、彼と仕事をする人たちには警告した」とメールで応えた。ミラマックス製作の『マイ・ハート、マイ・ラブ』(99)に出演した彼女は映画公開時に、ワインスタインからホテルの部屋に誘われ拒否したという。


このほかに『パルプ・フィクション』(94)に出演したロザンナ・アークエット、フランスの女優ジュディット・ゴドレーシュも被害に遭っている。1995年に肉体関係を迫られ、拒絶したミラ・ソルヴィーノも「ほかの理由もあるかもしれないけれど、ハーヴェィを拒絶したことが影響していると感じた」とキャリア低迷について「ザ・ニューヨーカー」に語った。


■余波大きく…かつての仕事仲間にも激震
90年代以降、アカデミー賞に輝いた俳優、監督たちの多くはワインスタインの手がけた作品で受賞していることから、出演作プロデューサーの唾棄すべき裏の顔が暴露されたことへの衝撃は大きい。

『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(11)でアカデミー主演女優賞を受賞したメリル・ストリープや『恋に落ちたシェイクスピア』(98)で同助演女優賞を受賞したジュディ・デンチは、ワインスタインを厳しく非難したものの、そうした行為については知らなかったとコメント。『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97)でアカデミー賞脚本賞を受賞したベン・アフレックや90年代からワインスタインを知っているジョージ・クルーニーらも同じく、今回の報道でハラスメントについて知り、許しがたい行為だとコメントしている。


ベンとともに脚本賞を受賞したマット・デイモンは、2004年にワインスタインの問題を取材していた記者に電話で圧力をかけたと報じられたが、電話した事実は認めたうえで、ワインスタインから悪評のある部下の擁護を頼まれて1分程度話しただけだと「Deadline Hollywood」の取材で釈明している。


『世界にひとつのプレイブック』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したジェニファー・ローレンスは「ハーヴェイ・ワインスタインの振る舞いに関するニュースに深く動揺しています」「ハーヴェイと5年前に一緒に仕事したとき、いかなる形のハラスメントも経験しなかったし、そういううわさも知りませんでした。このような虐待は弁解の余地はなく、非常に不快です」とコメント。


ジェシカ・チャステインは「私は最初から警告を受けていた。この話はどこにでもあった。それを否定するのは、同じことが起こる環境を作ることになる」とツイート。ブリー・ラーソンは「いつも通り、私は性的暴行とハラスメントを経験した勇気ある人たちの側に立ちます。あなたたちのせいじゃない。私はあなたちを信じています」とツイートした。

全米映画俳優協会(SAG)はワインスタインの行為を「忌まわしい」と断罪。16万人の会員に対して、ハラスメントや不適切で攻撃的な扱いについて通報を受けつけるホットラインを設置したと発表した。

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