劇場版『風都探偵』舞台あいさつ “翔太郎”細谷佳正、おやっさんのフルネーム失念して大慌て スカルにニラまれる
2024年11月14日(木)16時11分 オリコン
2009年9月から2010年8月にかけて、平成仮面ライダー第11作目として放送された「仮面ライダーW」の正統続編として2017年8月から「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載を開始し、累計発行部数240万部を超えたマンガ『風都探偵』。2022年8月には仮面ライダー史上初のシリーズアニメ化され、幅広い世代から人気を得た。本作では、主人公の左翔太郎(CV:細谷)と相棒のフィリップ(CV:内山)が仮面ライダーWとして戦うきっかけとなったエピソード・ビギンズナイトを描く。キーパーソンとなる翔太郎の師匠・鳴海荘吉のキャストには津田健次郎が、少年翔太郎に村瀬が配役された。
MCを務めたお笑い芸人・しいはしジャスタウェイの呼び込みで、細谷、内山、村瀬、椛島洋介監督、塚田英明エグゼクティブプロデューサーが登壇。事前に、細谷が演じる翔太郎の演技を聞いていたという村瀬は、思い立ったら突っ走る翔太郎のエネルギッシュな一面を大切に、子どものころの雰囲気をイメージしながら演じたと述懐。また、若い頃の翔太郎の演技について細谷は、観客が自然に作品へ入り込むことを意識し、無理して演じ分けることはしなかったと答えた。
翔太郎と出会う前のフィリップの役作りにあたって、シリーズアニメで演じた記憶をリセットしたという内山。フィリップを「複雑な歴史をたどっているキャラクター」と表現し、「『この時点のフィリップはこういう立場だよな』と頭の中を再整理する必要があった」と、アフレコを振り返った。
内山さんが過去のフィリップの顔つきについて言及したことから、トークはフィリップの作画の話題へ。椛島監督はガイアメモリ生産に利用されて疲弊した様子を表現し、翔太郎や荘吉と出会ってからの変化を際立たせるために、表情や瞳の光の描写、歩き方の演出にこだわったと語った。
劇場版制作の経緯について塚田プロデューサーは、シリーズアニメ『風都探偵』の続編や、劇場での上映に対する気運が各所で高まったことから実現したと回答。また、『仮面ライダーW』と原作マンガの脚本、アニメの脚本監修を担当した三条陸氏の提案で、原作第6集の仮面ライダースカルの物語を題材にすることが決まったと裏話を披露。椛島監督は、劇場版の実作業期間を約9ヶ月と明かし、シリーズアニメのノウハウを生かせたことや、仮面ライダーの作画を他のスタッフに任せられたことが功を奏したと振り返った。
イベントの中盤には仮面ライダースカルが登壇し、会場のボルテージが急上昇。キャスト陣も間近で目にしたスカルのカッコよさ、見つめられたときの恐怖感を口にし、怖いと感想をもらした村瀬に細谷が「敵役の立場だったらこんなおっかない相手いないよね(笑)」と同調する場面も。細谷、内山に促されてスカルと握手をした村瀬は、「幼い時のときめきがよみがえってくる」と、喜びの表情を見せた。
スカルのデザイン的なポイントを尋ねられた椛島監督は、エアブラシで入れられたマスクのシャドウを挙げて、スリット部分にまでこだわった彩色の質感を絶賛。また、アニメでのスカルの表現について、「動いてもグラデーションになるように、撮影さんとデザインを調整したんですよね。グラデーションの頭が動くことって難しいので、実は結構すごい技術を使っています」と明かし、客席から拍手がわき起こった。
塚田プロデューサーはスカルの魅力について、「帽子を被っていると目つきが変わるんですよね。そこがスカルのいいところかなと思います」とコメントした。イベント終盤、塚田プロデューサーはアニメ『風都探偵』のスタッフを、「『仮面ライダーW』をリスペクトしていただいて、すごい愛を持っていろいろなところにこだわって。アニメの仮面ライダーというものを、新しいことを意欲的に盛り込んでクリエイトしていただきました」と称賛。これから劇場版を鑑賞するファンに、改めてアピールした。
椛島監督は少年翔太郎と荘吉との出会いについて、「演出していて『ハートフルな作品になったな』と自分でも感じました」と手応えをコメント。スカルの演出を注力したポイントとして挙げつつ、「スタッフ一同、とても頑張った映像になっていると思いますので、ぜひ楽しんでください」と話した。
村瀬は「本当に映像がとっても綺麗で、おやっさん関係の劇伴とかもめちゃくちゃカッコよくて!」と見どころを挙げ、スタッフの愛情があふれる作品に携わった感慨を言及。すでに鑑賞した劇場版の感想を口にし、ファンの期待感をあおった。内山は初めてフィリップを演じたゲーム『KAMEN RIDER memory of heroez』、デザストの声で出演した『仮面ライダーセイバー』を話題に出し、「大人になってこんなに仮面ライダーとお仕事で縁がある人生になるとは思ってもいなかった」と述べ「原作『風都探偵』との違いなどなども含めて、大スクリーンで楽しんでいただければと思います」と結んだ。細谷は劇場版の見どころで荘吉に触れようとしたところ、翔太郎が普段“おやっさん”と呼んでいるためか、フルネームが思い出せずスカルににらまれてしまい、会場からは笑い声が。気を取り直した細谷は、荘吉役の津田を話題に挙げつつ、「この作品は鳴海荘吉の作品だと言っても過言ではない」と語った。
今回の劇場版の感想を投稿することで、シリーズアニメの続編につながるかもしれないと細谷が話し、客席から大きな拍手が。塚田プロデューサーは、「みんなの力で頑張りましょう!」とコメント。細谷のさらなる応援の呼びかけで、トークセッションは締めくくられた。
ゲストの降壇後はふたたび仮面ライダースカルが登場。ファン向けのフォトセッションを実施。イベントは大盛況で幕を下ろした。