『リアリティ』『ティル』から『モナ・リザ』まで新進気鋭の女性監督たちが贈る意欲作が公開ラッシュ

2023年11月16日(木)18時0分 シネマカフェ

『リアリティ』© 2022 Mickey and Mina LLC. All Rights Reserved.

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トランプ政権を揺るがす疑惑をリークし、“第2のスノーデン”と呼ばれた女性の実際のFBI尋問音声記録を“一言一句”逃さずに完全再現した映画『リアリティ』が、11月18日(土)より全国公開。

監督を務めたのは、アメリカ演劇シーンで話題をさらったティナ・サッターだ。異例の大ヒットを記録し世界的なムーブメントを巻き起こした『バービー』のグレタ・ガーウィグ監督を筆頭に、『aftersun/アフターサン』で英国アカデミー賞英国新人賞を受賞したシャーロット・ウェルズ監督や、アカデミー賞脚色賞を受賞した『ウーマン・トーキング 私たちの選択』のサラ・ポーリー監督など、独特の視点を持った女性監督たちが目覚ましい活躍を遂げている昨今。こうした作家性豊かな監督たちに続き、『リアリティ』のサッター監督をはじめ間もなく公開の映画にもこれからアメリカ映画界をさらに盛り上げていくこと必至の、最注目の女性監督による作品が目白押し。

前代未聞の映像トリックで、実際のFBI尋問を完全再現した心理スリラー、ピュア&エキセントリックなキャラクターが繰り広げるポップでダークなおとぎ話、“新しい未来”で私たちを待つものとは何かを問いかける哲学的SFコメディ、アメリカ社会に変革をもたらした母親の愛と正義を描く実録社会派ドラマ…。オリジナリティあふれる設定や奇想天外で捻りの効いた演出、骨太な人間描写で映画ファンをうならせる魅力的な4作品を紹介する。

『リアリティ』監督:ティナ・サッター
2017年、25歳の米国家安全保障局(NSA)契約社員リアリティ・ウィナーが、「ロシアのハッカーによる2016年アメリカ大統領選挙介入疑惑に関する報告書」をメディアにリークした罪でFBIに逮捕された。「トランプ大統領誕生は、ロシア政府に仕組まれたものだった——?」全米で大論争を巻き起こしたこのリーク事件の真相に、米演劇シーンにおいて“超新星”と評される新進気鋭の劇作家であり、本作が映画監督デビューとなるティナ・サッターが挑んだ。



長年舞台演出で活躍した彼女は、2019年に同題材を扱った舞台「Is This A Room」をオフ・ブロードウェイで上演。批評家から「衝撃作」と称賛を集め、チケットが即完売するなど大きな話題を呼んだ。この舞台の成功を機に製作が始動した本作は、実際のFBI尋問録音記録を、ほぼリアルタイムで何気ない会話や息遣い、咳払いひとつに至るまで<一言一句>完全再現するという衝撃の試みと、文書の“黒塗り”部分すらも前代未聞の映像トリックで見せるという斬新な演出で世界中から驚きと絶賛を集めた。

ごく平凡な若者だった彼女が心に募らせていったある思いとは…? その知られざる実像が、凄まじい緊張感とかつて見たことのない圧巻の“リアリティ”をもって事件の真相とともに浮かび上がる。主演は、「ユーフォリア/EUPHORIA」で注目されたシドニー・スウィーニー。

11月18日(土)よりシアター・イメージフォーラム、シネ・リーブル池袋ほか全国にて順次公開。





『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』監督:アナ・リリ・アミリプール


デビュー作『ザ・ヴァンパイア 〜残酷な牙を持つ少女〜』で「次世代のタランティーノ、現る!」と大注目されたアナ・リリ・アミリプール監督の長編第3作目。独特の世界観を持つアミリプール監督がオリジナル脚本で描くのは、他人を操る特殊能力を持った、エキセントリックでミステリアスな少女モナ・リザが繰り広げる逃走劇。

『バーニング 劇場版』でスクリーンデビューし、Netflixオリジナル映画『ザ・コール』『バレリーナ』などでも活躍する韓国人俳優チョン・ジョンソがモナ・リザを演じ、モナ・リザをある計画に引き込むシングルマザーのダンサー、ボニー・ベル役をケイト・ハドソンが務めた。2021年・第78回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門出品。

11月17日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国にて公開。







『ポッド・ジェネレーション』監督:ソフィー・バーセス


卵型のポッドで赤ちゃんを育てる新時代の妊娠と向き合うカップルを描いたSFコメディドラマ。監督は、本作が長編3作目となるソフィー・バーセス。本作で「商品化に最もそぐわないものをテーマに据えようと考えた」というバーセスは、洗練されたビジュアルと遊び心、そして哲学的な感性を持って、私たちの“新しい未来”に切り込む。果たして、“ポッド妊娠”を選択したカップルのたどり着く先は?

「ゲーム・オブ・スローンズ」のエミリア・クラークが主演を務め、製作総指揮にも名を連ねる。パートナーのアルビー役に『それでも夜は明ける』のキウェテル・イジョフォー。

12月1日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国にて公開。







『ティル』監督:シノニエ・チュクウ


1950年代アメリカで、アフリカ系アメリカ人による公民権運動を大きく前進させるきっかけとなった実在の事件「エメット・ティル殺害事件」を劇映画化。公開されるやいなや、各国の映画祭で賞賛の嵐が巻き起こり、映画批評サイトRotten Tomatoesでは批評家96%、観客97%の高スコアをたたき出した。

監督のシノニエ・チュクウは前作『Clemency』(原題)でサンダンス映画祭USドラマ部門の審査員グランプリをアフリカ系アメリカ人女性で初めて受賞。本作ではNetflix映画『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール:報復の荒野』のダニエル・デッドワイラーが主人公メイミーを熱演し、ゴッサム・インディペンデント映画賞など数々の女優賞を受賞。名優ウーピー・ゴールドバーグが共演し、製作にも名を連ねる。

12月15日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。

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