八木勇征、FANTASTICSでも活きている“感情を読む感覚” 本気で向き合ってくれた恩師は「父のような存在」
2024年12月20日(金)12時0分 マイナビニュース
日本テレビ企画・制作のショートドラマ『最期の授業-生き残った者だけが卒業-』が、11月26日から縦型課金ショートドラマアプリ「UniReel(ユニリール)」で配信スタート。未来高校3年F組の担任・丸山武(八木勇征)は、同僚で恋人の今泉理恵(堀未央奈)を失い、卒業式前日に「最期の授業」という名のもとで音楽室に生徒たちを閉じ込めて殺し合いのデスゲームを仕掛ける。
今回、同作で自身初の教師役に挑戦した八木勇征にインタビュー。作品に関してはもちろん、学生時代を振り返りつつ自身の恩師の存在を明かしたほか、現在のグループ活動でも活きているという“感覚”についても語った。
○初の教師役に「まだ見ぬ自分に出会えるという期待感」
——これまでは学生の役が多かった印象の八木さんですが、今回は自身初の教師役です。デスゲームを仕掛けるという特殊な設定になりましたが、率直にどのように感じましたか?
とてもおもしろいなと思いました。僕が今までやったことのない役柄で、新たに挑戦できるという気持ちと、何よりもまだ見ぬ自分に出会えるという期待感があったので、すごく楽しみでした。
教師という役についても、20人の生徒を相手にする、しかも今回は生徒たちにデスゲームを仕掛けるという内容なので、「20対1か」と。そのような感情を持ったのも初めてだったのですが、その20人に負けないエネルギーを出していかないといけないなと思いました。作中では、いわゆる“1軍”の子たちは本当に子供から何も成長していなくて、自分のことだけを優先して自分だけが良ければいいという思考の子たちでした。周りもそれにあまり強く言えず、流れに身を任せて空気を読んで動いている子たちという印象だったのですが、生徒役のキャストの皆さんがそれを体現してくれていました。
——20対1で負けないエネルギーを持っていくために意識していたことはありますか?
特に(現場で)作り込みはせず、現場で生徒と対峙していると、瞬間的に感情の波が高まり、自然と表情が変化しました。それだけ世界観とキャラクターに自分がどっぷり浸かりこめていたんだと思います。
台本も自分のセリフだけでなくて、相手のセリフも結構覚えていて、その子たちのセリフ一つひとつが、丸山の感情の起伏のスイッチになっていることが多かったので、だからこそ僕は生徒の話に耳を傾けていました。この作中にも「もっと大人の話に耳を傾けろ」という言葉があるのですが、生徒たちは自分が生きることに必死で、丸山が発していた言葉をちゃんと聞き取れておらず、理解もできていないし、丸山の仕掛けたゲームに踊らせてしまっているんです。この作品は“大人と子どもの違い”が描かれていると思います。
○グループ活動にも活きている学生時代からの感覚
——八木さんの学生時代についてお伺いします。八木さんはどんな学生でしたか?
この作品でもそうですけど、クラスの中にもグループが存在する。グループがあることが悪いとかではなく、同じ趣味がある友達や同じスポーツをしている友達で集まるのは必然だと思うんです。ただ、僕は決まったグループにいたわけではなくて、どのグループにも所属していたなと思います。
——みんなと仲がいいタイプだったんですね。
グループの穴を探すのがうまかったんだと思います。足りない部分を補って、突出しないで馴染む感覚というか……でも、そういう風にフィットしていくのがおもしろくて、無意識にそういう自分でいたのかもしれないですね。
——周りが見えているからこそできる動きですね。そういう意味でいうと、現在のグループ活動でも活きている部分があるんじゃないですか?
まだまだ全然未熟だと思うんですけど、「今この人ってどういう気持ちなんだろうな」と人の感情を読むことは活きているかもしれません。これはメンバーに対しても、もちろんそうなのですが、僕の場合はお客さんにも。ライブのステージ上からは、観に来てくださっている方の表情が見えるんです。だから、「今どういう気持ちなんだろう?」とか、「すごくハッピーな曲をしてるのに、なんでこの子はすごい悲しそうな顔してるんだろう」とか表情を見ています。もしかしたら、ライブに来るまでに嫌なことがあったのかもしれないじゃないですか? だったら、すごいハッピーな曲をしているわけだから、もっともっと楽しませてあげようという、その場の感情の変化が僕らとの中にも起こる。やっぱりライブは生ものなので、僕もお客さんから受けたもので、さらに変わっていくので、おもしろいなと思います。
○八木勇征にとっての恩師とは「友達でもあり、お父さんみたいな存在」
——そうやってライブを通して繋がっているのは、ファンの方にとってはとても嬉しいですね。学生時代の話に戻りますが、学生時代に後悔していることがあればお聞かせください。
正直あまり後悔をしたことがなくて。何かしていなかったとしても、必要だと感じた時に動けばいいと思っています。「あのときやっておけばよかった」は1つの逃げ道だと思うし、「今行動したらいいじゃん」思うんです。だから後悔はないです! もったいないとか思いたくないんです。
——その考え方が今の八木さんを作っているんですね。ご自身にとっての恩師という方はいらっしゃいますか?
これまで出会ったどの先生も素敵な方々ですが、なかでも小学校高学年の先生は、まだ小学生だった僕たちにも生徒としてではなく一人の人間として接してくれました。だからこそ本気で怒ってくれるし、本気で向き合ってくれるし、本気で笑ってくれました。友達でもあり、お父さんみたいな存在、かつ先生として教えを説いてくれる大切な存在だったなと思います。
この年齢になって、いま先生役を演じてみて生徒一人ひとりをこういう風に見ていたんだって思うと、あの時の先生ってすごかったんだなと思いました。作中でも「本気で本音と向き合って本質を見つめろ」というセリフがあるのですが、それを体現していた先生だったと思います。
——その先生から言われた言葉や、覚えているエピソードはありますか?
「人の失敗を絶対に笑うな」という言葉を覚えています。一人のときは決して思わないはずなのに、空気の流れやシチュエーションで笑っていると、先生が血相を変えてすごく怒っていたんです。帰り道に一人で考えていると、「なんで笑ったんだろう」と思い、怒られてその場で言った「すみませんでした」よりも、その次の日に言った「昨日ごめんね」のほうが、しっかりと反省できていました。そういう風に怒ってくれる先生がいたというのは、とても幸せなことだったなと思います。
——また、今作のサブタイトルは「生き残ったものだけが卒業」ですが、八木さんが卒業したいことはありますか?
手動の歯磨きを卒業したいです。最近、すごく興味の湧く電動歯ブラシを見つけて、それでサンプルの歯を磨いている映像があったんですけど、コーヒーやお茶の色素に漬け込んだ歯が本当にツルツルになっていて! ずっと自前で(腕を叩きながら)していました! なので、手動の歯磨きを卒業して電動にしたいです。
■八木勇征
1997年5月6日生まれ。東京都出身。ダンス&ボーカルグループ・FANTASTICSのボーカルとして活動しながら、俳優としても活躍中。映画は『イチケイのカラス』『劇場版 美しい彼〜eternal〜』(23年)など、ドラマは『ホスト相続しちゃいました』『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』(23年)、『婚活1000本ノック』『南くんが恋人!?』(24年)などに出演。UniReelにて主演ショートドラマ『最期の授業-生き残った者だけが卒業-』が11月26日から配信中。