五輪金メダリストのコーチ、「他のコーチより私の報奨金が少ないのはおかしい」と表明

2024年2月5日(月)8時40分 Record China

東京五輪の射撃女子10メートルエアライフル個人で金メダルを獲得した楊倩選手を育成した虞利華コーチが、他のコーチより自分の報奨金が少ないのはおかしいと表明した。

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2021年開催の東京五輪大会の射撃女子10メートルエアライフル個人で金メダルを獲得した楊倩選手を育成した寧波体育運動学校の虞利華コーチが3日、他のコーチよりも自分の報奨金が少ないのはおかしいと、SNSへの投稿を通じて表明した。楊選手は東京五輪大会全体を通じての初の金メダル獲得選手でとしても注目された。中国では、虞コーチが楊倩選手の優勝が決まった後の取材で、感極まって両手で顔を押さえて涙を流す様子も紹介された。



中国では、五輪大会など国際大会に出場する優秀な選手は先に各省の体育委員会が運営するチームへの入団が認められ、次に選考を経てナショナルチームに加わる。それまで選手を指導してきたコーチも多くの場合はナショナルチームに合流して、その選手の指導を続ける。



楊倩選手は寧波体育運動学校の生徒であり、省のチームに入らずにナショナルチームに入った、やや特殊な例だ。寧波体育運動学校は、小学校と日本の中学校に相当する初級中学、日本の職業高校に相当する中等専門学校を併せ持つ一貫校で、同校生徒が東京五輪では金メダルを計4個獲得するなど、スポーツの名門校だ。



中国メディアの光明日報によると、浙江省が東京五輪大会終了後に主催した表彰大会では、楊倩選手など16人が「浙江省労働模範」の称号を授与されるなど表彰された。16人の中には省チームに所属するコーチも含まれていたが、虞利華コーチは除外された。



虞コーチによると、ナショナルチームに合流した際には、省のチームから来たコーチは「指導コーチ」の地位とされ、体育学校から来た虞コーチは「啓蒙コーチ」という名称で、立場に違いが設けられた。しかしそれまでと同様に自分自身の責任によって楊選手を指導した。虞コーチは「指導者としてコーチの身分の違いは、(私自身の)主観として認められない」と表明した。



寧波体育運動学校は、虞コーチが要求した報奨金の全額支給について、「(報奨金は)コーチチームの奨励にも使う」「虞コーチは啓蒙コーチだった」として、虞コーチには「指導コーチ」の60%に相当する金額を支給すると発表した。一方で虞コーチは同発表に対して、「コーチチーム」など存在せず、私は単独のコーチとして楊選手を指導してきたと反論した。



虞コーチは3日の時点で、「ネットを通じて発言するのは、関連する措置を尽くし、門戸を開くよう求めた後でのやむを得ない行いです。残念ながら、関連部門による積極的な回答と有効な解決を、これ以上待つことはできません」などと表明した。



寧波体育運動学校は虞コーチの求めに対して2月2日付で、これまでに「省と市の関連する定めに基づくものであり、学校の指導層が集団で検討した結果」「(虞コーチの)要求は、政策に合致しない」などと表明していた。



光明日報は同件について、「社会はスポーツに関する表彰について当然ながら、純粋で開放的、包容的であることを期待している」と論評した。(翻訳・編集/如月隼人)




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