外国人観光客がっかり、中国の博物館に入れない問題―香港メディア

2024年6月6日(木)8時0分 Record China

香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは1日、外国人観光客が中国の博物館に入場することに障害があるとの文章を掲載した。写真は上海当代芸術博物館。

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香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは1日、外国人観光客が中国の博物館に入場することに障害があり、それが中国の観光業にとっても損失になっているとの文章を掲載した。



文章は、「中国では技術革新により国民生活がこれまで以上に便利になっているが、その便利さは意図せず外国人観光客に不利になっている。この問題は特に博物館で顕著に現れつつある」と指摘。「中国の主要観光地の多くは事前予約を求めており、観光客は中国のSNS・微信(ウィーチャット)のアカウントを持ち、その仕組みを理解し、基本的な中国語能力を有していなければならないことになる」とした。



その上で、中国一の国際都市である上海市を例に「上海博物館では予約ページに英語版が設けられており、隣接する浦東美術館は事前予約制を取りやめた。一方、上海当代芸術博物館は現地でのチケット購入も可能だが、オンライン予約画面は依然として中国語のみだ」と説明。最近北京を訪れたフローニンゲン大学のウィリアム・フィゲロア助教授が「博物館見学のための前提条件は人々をがっかりさせるかもしれない。短期滞在者にとっては重大な障害となる」と嘆息したことを伝えた。



文章によると、フィゲロア氏は天安門広場や故宮博物院はなんとか見学できたものの、北京大学キャンパスは7日前までの予約が必要だったため見学できなかったといい、「事前予約は新たに設けられたルールだったため、多くの観光客がそれを知らず、がっかりして去っていった。ウィーチャットはきちんと設定して使えれば便利なものだが、さまざまな理由で外国人には難しいことで有名だ」と指摘した。



香港立法会の何敬康議員は「中国が外国人観光客を制限しているのではなく、実際は中国のデジタルインフラの整備が観光産業の回復に追いついていない」とし、博物館を訪れた観光客らに改善点のフィードバックをしてもらうことを提案。観光であれ仕事であれ、滞在した際の個人的な体験によってその国の印象が決まるため、中国政府としてもこうした問題に注力していくだろうとの見方を示した。(翻訳・編集/北田)

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