トランプとバイデンが一致、ウクライナをNATOに加盟させたくない
2023年7月13日(木)6時30分 JBpress
スウェーデンはOK、ウクライナはダメ
北大西洋条約機構(NATO)は、スウェーデンのNATO加盟を
(Russia-Ukraine war live updates: NATO summit begins; Zelensky slams uncertainty over accession - The Washington Post)
(Russia-Ukraine War: NATO Says It Will Invite Ukraine to Join When ‘Conditions Are Met’ - The New York Times)
NATO加盟国の中には米国が殺傷性の強いクラスター弾をウクラ
ウクライナの加盟についてNATO加盟国全員が同意すること(必須条件だ)など、ありえないし、
ロサンゼルス・タイムズは7月11日の社説でこう書いた。
「ウクライナは、スウェーデンの加盟が許されているのを見て、
「なぜ我々はNATO軍の支援・
「ウクライナがそう考えるのは理解できる」
「(ウクライナはNATOには加盟できなくとも)
奥歯にものの挟まった言い方だが、ウクライナのNATO加盟は将
なぜか。
行間にはこんなホンネが見え隠れしている。
「今ロシアと戦っているウクライナをNATOに加盟させれば、
「米国はロシアと一戦交えるのは避けたい」
「米国の若者を遠くの土地で戦わせるのは避けたい」
(Editorial: It's not the right time to admit Ukraine to NATO - Los Angeles Times)
「NATOウクライナ理事会」ってなんだ
NATO首脳会議の後、イェンス・ストルテンベルグ事務総長(
一、ウクライナがNATO加盟国との軍事的な相互運用を進めるための
二、NATO加盟に向けた課題などを両者が対等な立場で話し合う「
三、加盟手続きを従来の2段階プロセスから1段階プロセスに簡略化する。
疑問はいくつか残る。
一、立ち上げた「NATOウクライナ理事会」は、
二、加盟に向けたプロセスが簡素化されるとして、(
三、ウォロデミィル・ゼレンスキー大統領はこの程度のNATOによる誓約で満足してい
(Is Ukraine inching closer to NATO? - GZERO Media)
台湾にとっても「対岸の火事」ではなくなる
これはウクライナだけの話ではない。
万一、中国が台湾に武力侵攻してきた有事に米国は軍隊を出動さ
台湾メディアのワシントン駐在ジャーナリストH氏はこう見る。
「台湾はNATOのような集団的自衛権が確保される軍事同盟機構
「米国の世論調査では、中国が台湾侵攻した場合、
(2021 Taiwan Brief.pdf)
「だが、実際にはウクライナに米軍を出動させるのは嫌だ、
「台湾についても同じようになる公算大だ。
「ウクライナがもっと早めにNATO加盟に積極的に動いていれば、20
「台湾も有事以前に米国と正式な同盟関係を結ぶべきなのだろうが、
*1=台湾関係法(Taiwan Relations Act=TRA)は、カーター政権による台湾との米華相互防衛
今回のウクライナのNATO加盟をめぐる米国の対応は、
加盟には時間がかかる、とバイデン
ジョー・バイデン米大統領は首脳会議前の7月7日、CNNテレビのインタビュー
「(NATOへの加盟について)戦争の最中であり、
首脳会議に出席する前から「加盟には時間がかかる」
ワシントンは総じて同じ考えのようだった。
そうした中、共和党重鎮のリンゼイ・グラハム上院議員(
グラハム氏は、
上下両院議員歴28年の大物議員
ウクライナには戦争勃発後、3回も訪れ、
提案を予定している決議案についてグラハム氏はこう述べている。
「
「ウクライナをNATOに加盟させることは欧州そして世界の将来に
(Lindsey Graham backs Ukraine inclusion into NATO amidst divisive cluster munition controversy | KEYE)
グラハム決議案には、民主党のリチャード・
ロシアとの戦争はまっぴら、とトランプ一派
グラハム氏の決議案提出発言に真っ先に反対したのはドナルド・
「文字通り受け取ると、あなたのご提案はウクライナをN
(Trump Jr. Joins GOPers in Slamming Neocon Hawk's 'Ukraine in NATO' Gamble)
そして、トランプ派のラウドスピーカー的存在のマジョリー・
「(ウクライナのNATO加盟は)
また、共和党のトランプ派の若手急進派女性議員のローレン・
「グラハム氏はご承知だと思うが、ウクライナがNATO加盟国に
「米国民は我が兵士たちがウクライナ軍兵士と一緒になって戦うこと
保守派だけではない。リバタリアンのランド・ポール上院議員(
「この考え方は完全に間違っている。ロシアとの戦争には反対だ。
(MAGA Reacts to Lindsey Graham's Ukraine NATO Pledge: 'Brink of WWIII')
どうやらグラハム氏は四面楚歌のようである。
ウクライナに対する米国のスタンスは微妙に変わりつつある。
前出のH氏の危惧の念はそう安易に一蹴はできない。ウクライナをめぐる動きを台湾メディアは一糸漏らさず報じている
(Ukraine updates: Germany plans new military aid package | Taiwan News)
筆者:高濱 賛