レバノンから隣国シリアへ避難民殺到、イスラエルは脱出路を空爆で破壊

2024年10月5日(土)21時51分 読売新聞

 【エルサレム=笹子美奈子】イスラエル軍は4日、レバノンへの地上侵攻開始以降、イスラム教シーア派組織ヒズボラの司令官21人を含むメンバー約250人を殺害したと発表した。トルコ国営アナトリア通信は4日、レバノン当局の発表として、昨年10月以降、イスラエルの攻撃によるレバノンでの死者数が2011人になったと報じた。死者数は9月23日以降が1100人超と急増している。

 パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム主義組織ハマスとの戦闘開始から7日で1年となるが、犠牲は、ハマスを支援するヒズボラが拠点を置くレバノンでも拡大が続いている。

 中東の衛星テレビ局アル・ジャジーラによると、レバノン北部トリポリ難民キャンプに対する5日のイスラエル軍の攻撃で、ハマスの軍事部門カッサム隊幹部サイード・アタラヒ氏の殺害が確認された。イスラエル軍による攻撃対象は空爆も含め2000か所に上る。

 イスラエル軍はレバノンとシリアの国境も空爆し、避難民の国外脱出路が破壊された。足止めされる避難民が増えれば人道状況の悪化に拍車がかかる。

 発表によると、イスラエル軍は3日、レバノンとシリア両国の首都を結ぶ高速道路が通るマスナアと、ヒズボラの武器輸送用とされる地下トンネル(長さ約3・5キロ・メートル)を空爆した。マスナアには、レバノンからシリアへの避難民が押し寄せている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、9月21日〜10月3日に約23万5000人がシリアに逃れた。

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