米次期大統領にトランプ氏が返り咲き、「米国第一」、固唾をのんで見守る東アジア各国
2024年11月7日(木)16時0分 Record China
米国の次期大統領に共和党のドナルド・トランプ前大統領が返り咲くことになった。「米国第一」を掲げるトランプ氏は国際協調を唱えたバイデン民主党政権とは異なり、保護主義、孤立主義を打ち出す可能性が大。首脳が相次いでトランプ氏に祝意を伝えた東アジア各国は来年1月に発足する新政権の動向を固唾をのんで見守っている。
ロイター通信などによると、中国の習近平国家主席は電話会談で祝意を伝達。外交部は「米国民の選択を尊重し、トランプ氏の当選に祝意を表する」との報道官談話を出した。
トランプ氏は選挙期間中、「台湾有事ななら中国製品に最大200%の関税を課す」と主張していた。
国営英字紙チャイナ・デーリーは論説で2度目の大統領就任は「提供されたチャンスを無駄にしなければ、中米関係の新たな始まり」となる可能性があるとの認識を示す一方、「台湾問題から貿易、南シナ海に至るまでさまざまな相違を処理するため、トランプ次期政権は中国との対話・意思疎通を強化することができる」と指摘。米国の中国に対する政策と「誤解」は両国関係に重大な困難をもたらしていると訴えた。
聯合ニュースなどによると、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領もトランプ氏と電話会談した。両氏は北朝鮮の挑発への懸念を共有し、協力を継続していくことを確認。早期に対面で会談することで合意した。
朝鮮日報は社説で「第1次トランプ政権は一方的な米国優先主義政策と突発的な行動による衝撃の連続だった」と論評。「同盟国に対しても機会があるたびに安全保障に対する見返りを求めた。近く成立する第2次政権も基本的にはこれと変わらないだろう。米国と経済・安全保障の両面で同盟を結んできた韓国としては再び不確実な状況に直面することになった」と危惧した。
台湾・中央通信社によると、中国の圧力に直面する頼清徳総統は、X(旧ツイッター)を更新。「心からのお祝いを申し上げる」と述べるとともに、台湾と米国のパートナー関係が今後も地域の安定の礎として両国の国民にさらなる経済的繁栄をもたらすことに自信を示した。
今後の米台関係について、国策研究院文教基金会の陳文甲・高級顧問(地域経済)は「米国は台湾が自ら防衛能力を向上させる責任を負うことを強調するようになるだろう」と言及。「同時に台米協力の公平性を確保するため、台湾により多くの軍事支出の分担を求めるだろう」との見方を示した。(編集/日向)