韓国「戒厳令」の夜、選管庁舎などに戒厳兵300人が進入…総選挙の不正疑惑立証が目的か
2024年12月7日(土)5時0分 読売新聞
【ソウル=依田和彩】韓国の中央選挙管理委員会は6日、
「捜査の必要性」
尹氏に宣布を建議した
尹氏は3日夜に非常戒厳を宣布した際の談話で「立法独裁を通じて国家の司法行政システムをまひさせ」たと野党を非難していた。突如の戒厳令の狙いは、野党が違法な手段で国会の多数派を握ったことを強硬手段で立証するためだったことを示すものだ。
金氏は尹氏の高校の1年先輩で、ともに対北朝鮮強硬派だ。今年8月、大統領警護庁長から急きょ国防相に抜てきされて以降、戒厳令計画は限られた側近との間で進められてきたという。
韓国紙・東亜日報などによると3日夜の戒厳令発表前に大統領府で開かれた閣議に列席した閣僚には事前に内容を伝えられていなかった。戒厳令を宣布する方針に対し、
事前に計画か
同選管は6日の声明で、戒厳兵は「3時間20分ほど庁舎を占拠した」としている。戒厳兵は当直勤務をしていた5人の携帯電話を押収したが、内部資料は持ち出さなかったという。
左派系最大野党「共に民主党」の議員らは6日、選管庁舎内の防犯カメラの映像を分析した結果を発表し、庁舎に進入した戒厳兵らが電算室で選挙人名簿を管理するサーバーを撮影したと明らかにした。戒厳兵が庁舎に進入したのが宣布直後の3日午後10時半頃で、事前に綿密に計画されていたことがうかがえる。
中央選管のトップである委員長は、大法院(最高裁)判事経験者が務めるのが慣例だ。金氏は不正選挙疑惑について司法当局が捜査に踏み切ることは難しいため、戒厳兵を投入する判断をした可能性がある。
総選挙を巡る不正疑惑は一部の保守系ユーチューバーが主張してきたが陰謀論と受け止められてきた。尹氏らが今後、総選挙の不正について何らかの表明をする可能性がある。
現場は混乱
一方、ソウルの国会に進入した戒厳兵を巡っては、現場の混乱ぶりが徐々に浮かび上がってきた。
主要紙・朝鮮日報は、国会に投入された特殊部隊の隊員が当初「北朝鮮関連の状況が非常に深刻だ。すぐに出動するために銃器を準備せよ」という指示を受けたものの、ヘリコプターに乗る直前で行き先が国会だと知らされ、困惑したとする証言を伝えた。