ワイモバイル「Libero 5G IV」レビュー、2万円スマホのダークホース

2024年2月27日(火)20時55分 マイナビニュース

ワイモバイルから2023年12月に発売されたZTE製のAndroidスマートフォン「Libero 5G IV」を試用しました。オンラインストアでの価格は21,996円、MNPで指定プランに加入すれば3,996円からという安価な機種ですが、十分な性能・機能を持つバランスの取れたコスパモデルです。
Libero 5G(2021年4月発売)、Libero 5G II(2021年12月発売)、Libero 5G III(2022年12月発売)、そしてLibero 5G IVと継続的にラインナップされているこのシリーズは、5G対応の低価格スマートフォンという位置付け。2世代目以降は2万円クラスの価格を維持しており、ガイドラインで許された割引の範囲でも冒頭で触れたように「他社からの乗り換えならタダ同然」で販売できることを狙った商品といえます。
市場環境の変化で割引規制に合わせた2万円クラスの機種を各キャリアがラインナップに入れ始めた2019年頃のスペック水準では、正直この価格帯で出せる機種では「電話とメールとLINEだけ」のような割り切った使い方でも不満が出そうな動作の機種も多かったのですが、ローエンド〜ミドルのSoCの性能も年々底上げされていて、今ではさほど考えずとも無難に使えるだけの性能を持っていて5Gにも対応した機種が手に入ります。
性能面では、先々代のLibero 5G IIからMediaTekの「Dimensity 700」というSoCの採用が続いており、RAM容量や画面解像度、通信性能なども含めて大きな変化はありません。技術の進化と物価高騰が釣り合っているのか、こと低価格帯に関して言えば「この値段ならこのぐらいの性能が手に入る」というラインはここ2年ほど動いていないように思います。
ではLibero 5G IVは先代のLibero 5G IIIとほとんど変わらないのか?というと実はそうでもなく、ストレージは64GBから128GBに、バッテリーは4,120mAhから4,420mAhに強化されており、公表されている連続待受時間でいえば約515時間→約618時間(いずれもFDD-LTE)と容量の増加分以上に電池持ちが改善しています。すでにある程度完成されたコスパモデルでありながら、地道な改良が重ねられています。
また、処理性能こそ控えめではあるものの、発熱の少なさはテストしていて印象に残りました。ベンチマークアプリのストレステストモード(同じテストを連続実行してサーマルスロットリングによる性能低下を見るためのモード)などの結果を見ても、20周目までまったくスコアが落ちず安定した動作を見せています。
中身の変化の少なさに対して、外観はIII以前からするとずいぶんあか抜けたように感じました。プレーンなデザインと清潔感のあるサラサラした質感で万人受けしそうな見た目ですし、ベゼルが狭くなり少し小型・軽量になったのも体感できました(W78×H168×D9.1mm→W76×H166×D8.6mm/207g→194g)。
ひとつ惜しい点としては、Libero 5G IIIでは有機ELディスプレイと画面内指紋認証が採用されていたのが「プチ贅沢」なポイントでしたが、Libero 5G IVでは液晶に変わったため指紋センサーも側面に移されています。このあたりは他社のコストパフォーマンスを重視したシリーズでも、有機EL&画面内指紋認証から液晶になり、次の代で復活……というケースがありましたし、突き詰めるなら苦渋の決断で削られやすい要素なのでしょう。
カメラ構成は変わらず、5,000万画素(標準)+200万画素(マクロ)+200万画素(深度)のトリプルカメラを搭載。記録用には十分に撮れるカメラです。モノクロを基調に指定した色だけを引き立たせることができる「モノカラー」モードなど、カメラアプリの機能もほぼ同様でした。
バランス良くまとめられた優秀な低価格スマートフォンですが、「OPPO A79 5G」や「moto g53y 5G」などのライバル機種があり、差別化できる特徴が少ないことや知名度・ブランド力の差からやや陰に隠れてしまっているのは惜しまれるところです。
ちょうど本稿の執筆中に、同じくZTE製で折りたたみスマホとしては破格の63,000円という安さの新機種「Libero Flip」も登場し話題となったように、コスパ重視の製品ではまだまだ驚かせてくれそうな実力を秘めたメーカーです。

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