完全ワイヤレスイヤホン、売れ筋は4万円前後の上位モデル - 古田雄介の家電トレンド通信

2024年3月6日(水)21時0分 マイナビニュース

今回は、イヤホン専門店のe☆イヤホン秋葉原店 本館を訪ね、完全ワイヤレスイヤホンの売れ筋を取材しました。
最近は、音質から駆動時間、ノイズキャンセリング(NC)機能まで全方位で優秀なモデルが多く、同店では4万円前後のモデルが人気上位にひしめいているそうです。
同店スタッフの東谷圭人氏は「それぞれのブランドの上位モデルを聞き比べて選ぶ人が多いですね。基本スペックはどれも穴がありませんが、音のバランスやNC機能の感触といった数字で現れにくい部分は結構違いがありますから」といいます。
そうした傾向を踏まえて「完全ワイヤレスイヤホン選びの三カ条」を挙げてもらいました。要点を押さえて、直近の売れ筋トップ5を追っていきましょう。
○<完全ワイヤレスイヤホン選びの三カ条>
最初の選択肢は外音との向き合い方。遮断するならNC機能で、取り込むなら「ながら聴き」タイプで選ぼう。
NCにも、遮音性が高くて閉塞感が強いものや、自然な感じのものがある。ここは実機で確かめたい。
そして、やっぱり一番大切なのは付け心地。耳の形は千差万別なので、自分にあったものを見つけ出そう。
※本文と写真で掲載している価格は、取材した2024年2月6日11:00時点のe☆イヤホンWeb本店価格のものです。本店とは異なる場合があり、日々変動もしているので、参考程度に見てください。
第1位:特にNCが評判の総合王者「WF-1000XM5」
一番人気に挙げられたのは、ソニーの「WF-1000XM5」です。2023年9月の登場以来、同店でもトップ級の人気を維持しているとのこと。取材時の価格は37,620円でした。
「音に癖がなく、NC性能も高く、本体の連続再生時間も前の世代はもう少し短かったんですけど、約8時間と十分伸びていますし、本当に穴がない製品ですね。デキのよい完全ワイヤレスイヤホンを求めるすべての人にお勧めできます」
第2位:圧電方式のドライバーを採用する「FALCON MAX」
続く2位は、Noble Audioの「FALCON MAX」でした。10mm径のダイナミックドライバーに加え、シリコンウェハーから切り出した振動板に電圧をかけて音を出す圧電方式のドライバー「Cowell MEMSドライバー」を搭載しているのが特徴です。本体の連続再生時間は約5.5時間(アクティブNC無効時)で、取材時の価格は39,600円でした。
「イヤホンとしても非常にレアなドライバーを採用していまして、そこに注目している人が多いですね。もともと音質に定評がある有線イヤホンを作ってきたブランドですが、FALCONシリーズで完全ワイヤレスの分野でもファンを増やしています」
第3位:王者のライバル「EAH-AZ80」
3位に入ったのは、パナソニックのHi-Fiオーディオブランドであるテクニクス(Technics)の「EAH-AZ80」でした。取材時の価格は36,630円になります。
こちらもNC機能や音質の評価が高く、約7時間の連続再生が可能といった万能タイプになります。「WF-1000XM5のライバル的な売れ方をしていますね。聞き比べたうえで、最終的な音の好みなどで選ばれているのかなと思います」
第4位:個性に最適化する「PerL Pro」
4位は、デノン(DENON)の「PerL Pro」です。取材時の価格は43,550円でした。
約8時間の連続再生やNC機能の評価も高いものの、とりわけ注目を集めているのはパーソナライズ機能「Mashimo AAT」といいます。
「音の聞こえ方は個々人で違いがあります。そこを細かく計測したうえで、その人に最適化された音を作ってくれるのが特徴ですね。自分専用のチューニングで音楽が楽しめるということで、この機能を目当てで購入する人が多いのではないかと思います」
第5位:NC性能も評判の「QuietComfort Ultra Earbuds」
5位には、ボーズ(BOSE)の「Bose QuietComfort Ultra Earbuds」がランクインしました。約6時間の連続再生が可能で、こちらも音質とNC性能の評価も高い万能型といいます。取材時の価格は35,640円でした。
「待望の完全ワイヤレスの新製品ということで、2023年10月に登場したときに話題になりましたね。こちらもWF-1000XM5とよく聞き比べされています。やはり総合力が高いので、ハイレベルな比較検討になるのかなと思います」
はみ出し情報・・・ながら聴きタイプでは「OpenFit」「LinkBuds」が目立つ
トップ5には入らなかったものの、外音を遮断せずに取り込める「ながら聴き」タイプもジャンル全体で盛り上がっており、専用コーナーのスペースが日に日に増しているそうです。「シチュエーションによって使い分けている人が多く、NCタイプとながら聴きタイプを持っている人は多いようですね」
そのなかで売れ行きが目立っている機種を東谷さんに尋ねると、Shokzの「OpenFit」とソニーの「LinkBuds」を挙げてくれました。取材時の価格は22,390円と23,760円でした。
「Shokzは骨伝導タイプを広めたことで知られるブランドですが、OpenFitは非骨伝導でながら聴きができるタイプですね。装着しやすいと評判です。ながら聴きブームの火付け役のソニーから出たLinkBudsも、耳をふさがない作りが話題になっています」
著者 : 古田雄介 ふるたゆうすけ フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年〜)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007〜2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『スマホの中身も「遺品」です』(中公新書ラクレ)、『ここが知りたい!デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。 この著者の記事一覧はこちら

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