米司法省がAppleを提訴、iPhoneを通じて「独占力を行使」と判断

2024年3月22日(金)5時20分 マイナビニュース

米司法省は3月21日(現地時間)、米Appleの商慣習が独占的かつ排他的であるとして、同社をニュージャージー州連邦地方裁判所に提訴した。主力製品であるiPhoneを通じて独占力を行使し、相互運用やスマートフォンの乗り換えを困難にしていることで、アプリ、製品、サービスのイノベーションが損なわれ、開発者、企業、消費者により多くの負担を課していると主張している。
Appleは、PC市場やスマートフォン市場の激しい競争において、ハードウェアとソフトウェア、サービスを統合した設計により優れた体験を提供し、それにより一定のユーザー基盤を確保してきた。その上で、たとえば堅固なセキュリティやプライバシー保護など、Appleのプラットフォームの様々な特長をサードパティの開発者やサービスも利用できるようにするため、数多くのAPIを用意している。この統合的なアプローチは、アップル製品を際立たせてきた核と呼べるものである。
しかし、司法省反トラスト局ジョナサン・カンター局長は、声明の中で「Appleは長年にわたり、一連の"Whac-A-Mole”的な規則や制限を課すことで競争上の脅威に対応してきた」と指摘している。Whac-A-Mole(モグラ叩き)とは、1つの問題を解決すると、別の問題が顔を出し、絶え間ない対処が続く状況を表す比喩である。Appleが統合的なソリューションを提供する一方で、独占力を維持しながら、より多くの収益を引き出すためにそれを用いている例として以下を挙げている。
スーパーアプリをブロック:クロスプラットフォームで幅広い機能を提供してスマートフォン・プラットフォーム間の移行を容易にするアプリの成長を阻害。
クラウドストリーミング・サービスの抑制:幅広いデバイスで本格的なビデオゲームをプレイできるクラウドゲーミングなど、クラウドベースのアプリの普及を阻害。
クロスプラットフォームのメッセージングを阻害:iPhoneと他のスマートフォン・プラットフォームの間のメッセージングを低クオリティのものに制限。
スマートウォッチの機能を制限:サードパーティのスマートウォッチの機能を制限し、Apple WatchとiPhoneの組み合わせの継続的な買い替えを促す。
サードパーティのデジタルウォレットを制限:サードパーティのアプリがiPhoneなどでTap to Pay機能を利用することを妨げている。
訴状では、これらの他にも、Webブラウザ、ビデオ通話、ニュース購読、エンターテイメント、自動車サービス、広告、位置情報サービスなどにも影響が及んでいると指摘。
「この状況が放置されれば、Appleがスマートフォン市場における独占をさらに強めていくだけだろう。司法省は消費者を価格の上昇と選択肢の減少から守るために、反トラスト(独占禁止)法を精力的に執行する」としている。

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