生成AI用途のパソコン、Core Ultra搭載機が上位に並ぶ - 古田雄介の家電トレンド通信

2024年3月29日(金)20時0分 マイナビニュース

今回はヨドバシカメラ マルチメディア横浜を訪ね、生成AIのために選ばれるパソコンの売れ筋を取材しました。
同店でパソコン売り場を担当する野呂直樹氏によると、AI向けパソコンを求める人はデザイナーやCAD、Web制作などに携わるビジネスパーソンが多く、そうした仕事に関心を持つ学生からのニーズも大きいそうです。「仕事で使うとなると持ち運ぶことも重要になるので、モバイルタイプのモデルが売れ筋になっていますね」とのこと。
モバイルノートとなると、軽さとAI性能のバランスが求められるということで、AI向けのプロセッサーである「Intel Core Ultraプロセッサー」を搭載したモデルが人気上位を占めているそうです。
野呂氏に挙げてもらった「AI向けのモバイルパソコン選び3ポイント」を踏まえて、直近の売れ筋モデルを追っていきましょう。
○<AI向けのモバイルパソコン選び3ポイント>
CPUはCore Ultra 5〜7が人気。メモリーは16GB以上から選ぶのがベター。
モバイルだから軽さは重要。1.5kg以下となると、液晶画面は13.3インチから14.0インチが中心。
やりたい作業が軽ければ従来のCPU、重ければ外付けGPUタイプを選ぶ視点も。やはり目的が第一。
※本文と写真で掲載している価格は、2024年3月21日13:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:Core Ultra 7搭載で20万円切りの「Inspiron 13 5330」
一番人気に挙げられたのは、デルの13.3インチノート「Inspiron 13 5330 MI583」でした。Core Ultra 7 155Hと16GBメモリー、1TB SSDを搭載し、重量は1.24kgとなります。取材時はマイクロソフトOfficeなしの価格が199,800円で、Officeありが219,800円でした。
「Core Ultra 7搭載でメモリーもSSDも十分にあり、軽くてOfficeなしなら20万円を切る価格のバランスの良さから人気があります。お仕事で即戦力にされる方や、就職後を見越して買われる学生さんなど、購入層は幅広い印象です」
第2位:ひとつグレードを下げたCore Ultra 5搭載の「Inspiron 13 5330」
2位も、同シリーズの「Inspiron 13 5330」がランクインしています。こちらはCore Ultra 5 125H搭載モデル「MI563」で、SSDの容量も512GBとなります。メモリー容量と本体重量は変わりません。取材時の価格は、マイクロソフトOfficeなしが179,800円、ありが199,800円でした。
「AIで動画を編集するなどの重い作業をする方や、先々を考えてポテンシャルが高いパソコンを選びたい方はCore Ultra 7モデルを好み、ある程度のところで割り切る方はこちらに決める、ということが多いように思います」
第3位:32GBメモリー搭載の高性能ノート「Swift Go 14」
3位は、エイサーの14インチモデル「Swift Go 14」でした。そのうち、Core Ultra 7 155Hと32GBメモリー、512GB SSDとマイクロソフトOffice Home&Business 2021を搭載した「SFG14-72-H73Y/F」が特に売れているとのこと。本体重量は1.32kgで、取材時の価格は249,800円でした。
「少し高価ですが、メモリーを32GB搭載しているところを重視して選ぶ方が多いモデルです。ハイスペックなうえ十分に軽いということで、持ち運んで仕事するのに好まれていますね。とりわけ重い画像や音楽、動画編集などをこなすクリエイターの方に人気です」
第4位:軽めのAI生成なら十分な「Surface Laptop 5」
4位からは、Core Ultra非搭載モデルが続きます。4位はマイクロソフトの「Surface Laptop 5」です。Core i5-1235Uと16GBメモリー、512GB SSDを搭載し、Office Home&Business 2021もプリインストールされています。13.5インチ液晶を採用し、本体重量は1,272g。取材時の価格は209,880円でした。
「AI特化ではないですが、ChatGPTを軽く活用するくらいといったライトな用途なら、モバイルの定番であるSurfaceを選ぶという方は少なくありません。それでも、メモリーは16GB以上欲しいということで、ある程度ハイスペックなモデルが選ばれる傾向が続いていますね」
第5位:ユーザーがバッテリー交換できる「dynabook X8」
5位には、Dynabookの13.3インチノート「dynabook X8 P1X8WDBS」が続きます。同店オリジナルモデルで、Core i7-1360Pと16GBメモリー、1TB SSD、マイクロソフトOffice Home&Business 2021を搭載し、本体重量は937gとなります。取材時の通常価格は272,800円でした。
「最近のモバイルノートでは珍しくバッテリー交換が自分で行えるので、長く愛用してもリフレッシュが手軽できる強みがあります。Core Ultraではありませんが、Core i7を搭載しているので総合力が高く、生成AIを含めてさまざまな用途で活躍できます」
はみ出し情報・・・外付けGPUタイプではGeForce RTX 4060搭載モデルが人気
据え置き用途になると、グラフィックスや生成AI処理を専門で行う外付けGPUを搭載したモデルが人気となります。同店では「GeForce RTX 4060を搭載したタイプが価格的にも高バランスで、安定した人気があります」とのこと。
なかでも直近で売れ行きが目立っているのは、MSIの15.6インチノート「Cyborg 15 A13V」といいます。特に売れている「A13VFK-4125JP」はGeForce RTX 4060とCore i7-13620H、16GBメモリー、1TB SSDを搭載し、本体重量は1.98kgとなります。取材時の価格は199,800円でした。
「ゲーミングモデルですが、ゲーム以外にも動画編集用に買われる方が多いですね。デザイナー系や建築系の学校で使われるという方もよくいらっしゃいます」
著者 : 古田雄介 ふるたゆうすけ フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年〜)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007〜2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『スマホの中身も「遺品」です』(中公新書ラクレ)、『ここが知りたい!デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。 この著者の記事一覧はこちら

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