「子どもに楽天モバイルを持たせる」前に知っておきたい2つの落とし穴、学割でお得にならないケースも

2024年4月2日(火)16時50分 マイナビニュース

楽天モバイルが3月12日から、22歳以下限定の割引「最強青春プログラム」を開始しました。2月21日からは「最強家族プログラム」という、いわゆる家族割引の仕組みも導入されており、この機会に一家まとめて楽天モバイルにしようと検討している方も多いのではないでしょうか。
たしかに、楽天モバイルはそもそもの料金プランも安めですし、これらの割引プログラムを使えばさらにお得に使えることは間違いありません。しかし、特に子どもの携帯回線として楽天モバイルを選ぶには、オススメしにくいと感じる部分が2点ほどあります。
今回はその見落とされがちな注意点をピックアップして解説していきますので、乗り換え検討の参考にしていただければ幸いです。
割引が消し飛ぶ「フィルタリング有料」の落とし穴
まず割引プログラムの内容をおさらいしておくと、学割にあたる「最強青春プログラム」は22歳以下なら毎月110ポイント還元、家族割引にあたる「最強家族プログラム」は家族2人以上の利用で各回線が毎月110円引きとなります。
しかし、実は楽天モバイルはフィルタリングサービスが有料なのです。18歳未満の場合、「あんしんコントロール by i-フィルター」という月額330円の有料オプションが必要になります。
直接値引きとポイント還元の違いは一旦置いておくと、「最強青春プログラム」「最強家族プログラム」で得られる還元額は子どもだけ楽天モバイルにするなら毎月110円相当、大人1人+子どもなら2回線合計で毎月330円相当となります。
つまり、子どもだけ楽天モバイルの場合は還元額がフィルタリング費用に負けてしまいますし、大人1人+子ども1人でなんとか釣り合い、大人2人以上+子ども1人でようやく得になるということです。
フィルタリングサービスが有料というのはMVNOなら珍しくありませんが、MNOでは楽天以外の3キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)すべてが無料で提供しています。
大手通信事業者の責任として提供義務がある機能であり、ここで追加費用を取るのは異例。発表や公式サイトで示された最強青春プログラムの割引例でもこの点には触れられておらず、契約段階で初めて気付けるトラップになってしまっているのも不誠実に感じます。
無制限に“使えてしまう”のも考え物?
楽天モバイルの現行料金プラン「Rakuten最強プラン」の仕様をおさらいしておくと、1カ月のデータ通信量が3GBまでなら1,078円、20GBまでなら2,178円、それを超えたら3,278円で無制限という3段階制のプランとなっています。
自分で使用量を把握しながら料金のことも考えて使っていける大人なら、「1,000円以下で3GBまで使えて通話(Rakuten Link)も無料のプラン」としても「安価な大容量プラン」としても使える便利なプランでしょうが、子どもに持たせると考えると“制限なく使えすぎる”ことが親目線では悩みの種となりそうです。
このような段階制定額は近年ではMNOの料金プランとしてはスタンダードになってきていますが、ドコモの「上限設定オプション」のように使いすぎないよう途中で制限をかける仕組みが楽天モバイルにはありません。
Androidスマートフォンなら端末側の設定で一定のデータ通信量で制限をかけることもできますが、iPhoneを持たせるなら「こまめにmy 楽天モバイルで使用量を確認する」「月〇GBまでという約束を守らせる」というアナログな対処法しかありません。
20GB以上の上限料金で納得して選ぶなら良いのですが、20GB以内や3GB以内の料金を見て「これならお得」と思って持たせると思惑通りにはならない可能性が高いです。
楽天モバイルの料金プランは、ワンプランで幅広いユーザー層に対応することがシンプルさ・わかりやすさに繋がるというのがMNO参入時以来の設計思想ですが、ファミリー・子ども向け需要を本格的に取り込むならもう一工夫必要そうです。
楽天モバイルの立場を考えると、楽天グループの決算資料などによれば黒字化を目指すにはARPU2,500円以上、つまり20GB以上の上限料金まで使ってもらわないといけないようなので難しいかもしれませんが、最強青春プログラム適用回線(一定の年齢以下の利用者)に限ってでも上限設定オプションの提供を望みたいところです。

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