スマホなくても子機で通話 ドコモの「ワンナンバーフォン」設定アプリ、提供終了へ 単独利用ができなくなる場合も
2024年4月5日(金)13時30分 ITmedia Mobile
ワンナンバーフォンは、1つの電話番号を2台の携帯電話で共有できる、NTTドコモの「ワンナンバーサービス」に対応した製品。メーカーはZTEで、ドコモが2018年10月26日に発売した。約54(幅)×110(高さ)×7.0(奥行き)mm、約55gの小型軽量ボディーで、胸ポケットに収めやすい。
初期設定時に親機のスマートフォンにワンナンバー設定アプリをインストールし、このアプリからワンナンバーサービスを契約する。その後、ワンナンバーフォンのeSIMにBluetooth経由で親機となるスマートフォンの電話番号が書き込まれる。設定完了後は、手元にスマートフォンがなくても、ワンナンバーフォンだけで通話やSMSが利用できる。
主に通話をするための製品であるため、表面にやや盛り上がっているハードキーを搭載する。背面には何もない。表面の十時方向キーで電卓、アラームなどの付加機能を切り替えたり、受信したSMSを閲覧したりできる。底面にMicro USB端子を搭載する。スピーカーフォンで通話相手の声を聞き取れるが、内蔵スピーカーが小さいためスマートフォンのスピーカー音質には及ばない。
ドコモが案内しているのは、主にワンナンバーフォン本体ではなく、ワンナンバー設定アプリに関する内容だ。アプリの提供終了理由について、ドコモは「ワンナンバーフォンの修理受付が終了した」ことを挙げている。アプリ提供終了後、下記に該当する場合は、アプリでの再設定や、ワンナンバーフォンでの発着信/SMS送受信を行えなくなる。
・ワンナンバーフォンを利用中で親機スマートフォンとのペアリングを解除した後に再設定
・親機スマートフォンの機種変更/故障に伴うワンナンバーフォンの再設定
・ワンナンバーフォン初期化後の新規設定
2024年4月現在、ワンナンバー設定アプリはGoogle Playストアでの配信が行われていないが、2024年9月30日まではdocomo Application Manager(ドコモアプリ管理)、App Storeからのインストールが可能だ。
ワンナンバーフォンの発表時、ドコモがアピールした単独通信に違和感を覚えた。スマートフォンを持ち歩かない場面がほとんどないからだ。「スマートフォンのバッテリーがなくなり、他の端末で通話をしたいとき」に便利だとも感じたが、モバイルバッテリーの利用で解決できる。
初代の発表から数年が経過しても、ワンナンバーフォンの後継モデルは世に出なかった。一方で毎年Apple Watchの新モデルが発売され、ワンナンバーサービスを利用できるモデルも増えていったことで、ワンナンバーフォンの存在意義は薄れた。