公開前から物議、映画「オッペンハイマー」を見たマンガ家が感じたこと 一番気になったのは……上映時間?

2024年4月7日(日)9時25分 ITmedia NEWS

 世界で初めて原子爆弾を作った科学者の半生を描いた映画「オッペンハイマー」が3月29日より公開中です。ボクも見てきました。
 科学者としての好奇心から原爆を生み出し、その原爆がもたらした惨状に苦悩するオッペンハイマーの姿を描いた本作。日本では公開前から賛否両論が渦巻いていた印象です。原爆が引き起こした惨状について映画内でほとんど描写していないことが、批判を受けている大きな理由のようです。
 被ばく国である日本に生まれたボクたちは、テレビや漫画などを通じて原爆の恐ろしさを伝える作品に触れる機会が多い国民です。そんなボクたちにとって、オッペンハイマーでの原爆の表現は、確かに不十分で不誠実に映るかもしれません。ボクも映画を見て、当時のアメリカ国民の原爆に対する肯定的な姿を見て、嫌な気持ちにもなりました。それでも、この作品は決して原爆を肯定的に描いてはいません。
 個人的には、第二次世界大戦中、そして戦後のアメリカでの原爆というものに対する認識を知ることができたという点で、評価できる映画だと思います。不快感や嫌悪感を持つ人がいるのは当然ですが、それでも一度は見ておきたい映画だと思いました。
 ただ、この映画はあくまでオッペンハイマーの半生がメインテーマで、原爆についてのみ語っているわけではありませんので、そこは御留意ください。それから当時の時代背景について、例えば共産主義や“赤狩り”といった部分を予習しておくと、内容は理解しやすいかと思います。
 そして一番気を付けてほしいのは、上映時間が3時間もあること! トイレ対策は万全にして鑑賞に臨んでください。
●著者紹介:サダタロー
1998年にテレビ番組「トロイの木馬」出演をきっかけに漫画家デビュー。代表作は「ハダカ侍」(講談社、全6巻)、「ルパンチック」(双葉社、1巻)、「コミックくまモン」(朝日新聞出版、既刊7冊)など。現在、熊本日日新聞他で4コマ漫画「くまモン」を連載中。Pixivはsadataro、Twitterは@sadafrecce。
●連載:サダタローのゆるっと漫画劇場
漫画家のサダタローさんが、世界初の電脳編集者「リモたん」と一緒に話題のアレコレについてゆる〜く語るまんが連載。たぶん週末に掲載します。連載一覧はこちら。過去の連載はこちらからどうぞ。

ITmedia NEWS

「映画」をもっと詳しく

「映画」のニュース

「映画」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ