CopilotでTeams会議の生産性アップへ Jabra製品のMicrosoft認定デバイスで話者識別、文字起こし機能が強化 それがどう役立つのか

2024年4月11日(木)16時45分 ITmedia PC USER

「Jabra PanaCast 50」

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 音声デバイスブランド「Jabra」を展開するGNオーディオジャパン(以下、Jabra)は4月10日、「Jabra PanaCast 50」と「PanaCast 50 Room System」が、Microsoftからビデオバー製品として世界初のインテリジェントスピーカー機能対応デバイス認定を受けたと発表した。
 これらインテリジェントスピーカーとMicrosoft Teamsに搭載したCopilotを連携させることで、会議室にいる人とリモート参加している人が混在するハイブリッド会議などの効率がより向上するという。
●Copilotを普及させたいMicrosoft
 Microsoftは「あらゆる製品に、その製品を一変させるようなAI機能を搭載していく」と宣言しており、AIチャットで注目を集めた「新しいBing」(Bing ChatおよびBing Chat Enterprise)を「Copilot」ブランドに統一し、「Microsoft 365 Copilot」も「Copilot for Microsoft 365」とネーミングを改めた。
 同社がAIにかじを切った背景について、日本マイクロソフトの水島梨沙氏は、日々の業務がイノベーションを阻害していることを改善したいからだと説明する。
 Microsoftの調査(Microsoft WorkLab Work Trend Index)によれば、仕事をするための時間やエネルギーの確保に苦労している人は64%、情報検索に時間を費やしすぎていると感じている人が62%、イノベーションや画期的なアイデアの欠如が懸念事項であると回答したリーダーの割合は60%という結果が出ている。
 生産性を妨げる要因トップ5の1位は「非効率な会議」、3位は「多すぎる会議」となっており、ランク外ではあるが過半数が「会議でのブレインストーミングが困難」「会議に遅れたときのキャッチアップが難しい」「会議終了後の次のステップが不明瞭」「会議で起こったことを要約するのが難しい」と感じていることも明らかになった。
 そうした課題に対し、2023年11月にリリースされたCopilotを組み込んだMicrosoft 365であれば、「さまざまな煩雑な業務が楽になる」と水島氏。例えばCopilotによって、会議後に発言状況を話者ごとにチェックしたり、任意の話者の発言だけをピックアップしたり、トピックごとに分けたりすることができるため、会議に参加していなくても後から内容をキャッチアップしやすくなる。
 Teamsに以前からあるトランスクリプション機能で文字起こしされた発言を、頭から順に読んでいかなくても済む、というわけだ。
●同じ会議室にいる人物の話者識別が課題に
 しかし課題もある。全員がリモート参加しているオンライン会議であれば話者識別は容易だが、会議室からの参加者が複数人いるようなハイブリッド会議では、会議室からの発言が全て「xx会議室」という参加者名で表示されてしまう。これでは誰が何を言ったのか判別できず、キャッチアップも難しくなる。
 そこで役立つのが「会議室における話者識別」機能だ。必要なのはTeamsでの音声プロファイルの作成/登録と話者識別機能を持ったインテリジェントスピーカーの2つ。これを組み合わせることで、同じ会議室で発言していても、話者個人の発言としてテキスト化されていく。
 そこで役立つとJabraがアピールするのが、バータイプとして初めてMicrosoftインテリジェントスピーカー対応可能デバイスとして認定されたJabra PanaCast 50というわけだ。
●Copilotを搭載したTeamsと「Jabra PanaCast 50」会議の生産性を上げる
 CopilotやTeamsなどのトレーニングやセミナー講師を務めるイマジンネクストの萬野有貴氏は、統一されたブランドのCopilotがいかに業務の効率化に寄与するかや、同じ会議室にいる複数参加者の話者識別という課題について触れ、Jabra PanaCast 50を導入することのメリットを記者向け説明会で解説した。
 Jabra PanaCast 50は2021年4月に発表されたAI機能搭載のインテリジェントカメラ搭載のサウンドバーだ。正面中央付近に1300万画素のレンズ3つを内蔵したカメラを搭載しており、180度の視野角を持つ。これにより、会議室のどこに座っていても参加者全員を映し出せる。
 また、Jabra PanaCast 50から離れた場所に座っている人の声も捉えるマイクも搭載しており、リモートで参加しているメンバーであっても、疎外感を覚えることはないという。
 さらに、Jabra PanaCast 50を設置した「インテリジェント ミーティングルーム エクスペリエンス」には次のような機能やメリットがあると紹介した。
インテリジェントズーム
 180度の視野角によって会議室全体を映し出せるだけでなく、参加者の人数や座る場所に応じて画角いっぱいに全員が表示されるようオートフレーミングする。
バーチャルダイレクター
 話者にズームするので誰が話しているのか一目瞭然になる上に、表情も確認できる。
インテリジェントミーティングスペース
 ガラス張りの会議室であったとしても、会議室外の人にフレーミングしないよう会議室の範囲を定義できる。
ホワイトボードカメラ(Microsoft Teamsが提供している機能)
 ホワイトボードに書かれた内容をリモートからの参加者も会議室内にいるように確認できる。Jabra PanaCast 50がMicrosoft Teams Rooms認定のコンテンツカメラを内蔵しているため実現できる
インテリジェントスピーカー(Microsoft Teamsが提供している機能)
 同じ会議室に複数の参加者がいても話者を識別する。Jabra PanaCast 50で識別できる人数は最大10人。これにより精度の高い議事録や要約を作成できる。
ダイナミックコンポジション/インテリフレーム(Microsoft Teamsが提供している機能)
 同じ会議室にいる複数人をパノラマではなく、それぞれ別のカメラで捉えているかのように別々のフレームで映し出す。直近の発言者4人のみをタイルビューで映し出す「シングルストリーム」と、直近の発言者2人をタイルビューで、それ以外のメンバーをパノラマビューで表示する「マルチストリーム」も用意されている。
人物認識(ピープルリコグニション)(Microsoft Teamsが提供予定の機能)
参加者の顔を認識し、ダイナミックコンポジション利用時にメンバーの名前をリモートで参加している人と同じように表示する。同機能は今後のアップデートで追加予定。
 萬野氏は、これらの機能がどのように働くかのデモ動画も披露した。動画では、誰もいない小規模の会議室全体がまず映し出され、参加者2人が入室するとズームイン。2人が左右に分かれて座ると、画角に収まるよう広角表示に切り替わった。
 参加者の1人がホワイトボードに書き始めるとカメラはホワイトボードにズームインし、リモートからの参加者でも正面で見ているような画角に切り替わった。
 ホワイトボードを利用していると、書き込みの際どうしても筆記者の体がホワイトボードへの視界を遮ってしまうが、ホワイトボードカメラ機能により筆記者の体が半透明になる。
 リアルタイムで筆記している文字も読め、先ほどのポジショニングも含め、リモートで参加している人のほうがホワイトボードを見やすいのではないかと思うほどであった。
 会議の途中から参加した人が、インテリジェントスピーカーによって話者を識別した上で書き起こしをしていること、またCopilotによる要約により、どこまで会議が進んだかを瞬時にキャッチアップする様子も示された。
 このように、萬野氏のパートではMicrosoftが提供するCopilotのAIテクノロジーと、Microsoftが認定したビデオバーを組み合わせることで、Teamsでの会議が有意義なものになることが説明された。
 なお、インテリジェントスピーカー対応の認定を受けたのは、Jabra PanaCast 50単体の他、「Jabra PanaCast 50 Room System」(Windowsベース)と「Jabra PanaCast 50 Video Bar System」(Androidベース)の2製品だ。Jabra PanaCast 50 Video Bar Systemは、Microsoftが2023年4月に発表したAndroid向けシステム「デバイスエコシステムプラットフォーム」を採用した世界初のデバイスでもある。
 最後に登壇したGNオーディオジャパンの加藤昭彦氏は、Microsoftがインテリジェントスピーカー以外のTeamsに対応したデバイスでも話者認識機能を提供予定であるため、PanaCast 50の強みが弱くなるのではないかという質問に対して次のように回答した。
 「Jabra PanaCast 50は数年前にリリースしたものだが、AIを搭載するという点では他者に先んじており、Jabraはリーディングカンパニーであるという自負がある。Microsoftが求める高い条件やテストをクリアして認定を取得した製品でもあるので、今後、インテリジェントスピーカーを搭載していないTeams対応デバイスで話者認識に対応するようになったとしても、質の高いWeb会議を提供できると考えている」(加藤氏)

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