ソニーのイメージセンサー“STARVIS 2”を採用した高画質4Kドラレコ「70mai Dash Cam 4K A810」を試す

2024年4月12日(金)11時35分 ITmedia Mobile

テスト車両のリアウィンドウには、かなり濃いウィンドウフィルムを貼り付けている。外側からは車内が見えない状態だ

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 中国70maiが2024年1月に発売した「Dash Cam 4K A810」(以下、A810)は、4K対応をうたうドライブレコーダー製品の中でも特に高画質だと評判の製品だ。ソニーのセキュリティカメラ向けイメージセンサーである「STARVIS 2 IMX678」を採用しており、70maiの製品ラインアップ中でも最上位モデルに相当する。
 実売価格は、64GBのmicroSDメモリーカード付属モデルが2万4990円、128GBが2万4990円、2万6990円(いずれも税込み)となっている。
 今回は試用機を入手したので、実際に使ってみたファーストインプレッションをお伝えしよう。
●まずは気になる画質をチェック
 A810は前後2カメラ構成のドライブレコーダーだ。フロントは最大4K(3840x2160ピクセル)、リアは最大フルHD(1920x1080ピクセル)で、それぞれHDR撮影に対応している。まずは多くの人が気になるであろう、実際の画質について先に紹介しよう。以下は昼間と夜間で撮影したサンプル映像だ。YouTubeの画質設定を最高にして視聴することをおすすめする。
フロントカメラ(4K)
 ご覧の通り、かなり高精細な映像を記録できていることが分かる。ナンバープレートや遠くの看板の小さな文字なども読み取りやすく、記録映像として申し分ない。数世代前のフラグシップモデルのアクションカメラ並の映像が撮れているように思える。
 夜間の低光量環境においても、ノイズ感が非常に少なく鮮明に映し出せている。解像度が高いだけでなく、ノイズリダクションも優秀だといえるだろう。
リアカメラ(フルHD)
 続いてリアカメラだが、テストに使用した車両はリアウィンドウに透過率が数%代というかなり濃い目なフィルムを貼っている。カメラは内側に設置するため、酷な環境であることを留意いただきながらサンプル動画を確認してほしい。
 濃いフィルムの内側、さらに解像度はフルHDに抑えられているが、映像が破綻することなく、特に夜間でもナンバープレートも読み取れる状態で録画できている。フィルムを装着している車両であっても、状況を記録するという意味では十分に使える映像だ。
 A810は動画を録画するだけでなく、GPSによる位置情報の記録や画像処理による車線逸脱、先行車発進といったアラートを出すADAS(先進運転支援システム)もサポートしている。別売の駐車監視向けケーブル「70mai Hardwire Kit+UP03」を併用すれば、駐車中のタイムラプス撮影や動体や衝撃検知による録画スタートといった機能も使える。
●前提として、自力での設置は車DIY中上級者向け
 A810は一般的なドライブレコーダーと同様に、車内のシガーソケットから給電できるので設置の難易度は比較的低い──とされている。公式で取り付けガイド動画も公開されており、設置手順はシンプルだ。
 ただし、現物を前にして、筆者(車いじりのできない素人)としては、率直に車に自力できれいに設置するのはやや難しいと感じた。
 フロントのピラーカバーを外して配線を通すだけならYouTubeのDIY動画を見ながら挑戦できるかもしれないが、リアからきれいにケーブルを隠しつつフロントまで伸ばすのは難易度が高い。
 もちろん、車いじりが好きな人ならば、自力で挑戦することもさほど苦労しないかもしれない。しかし、知識のない状態で車内の配線を整える行為にはリスクも伴うと思われるため、機器の購入を検討する際には、基本的に持ち込み品の設置に対応してくれるカーディーラーやカー用品店、整備工場などを探しておき、取り付けを依頼する前提で考えておくと良いのではないかと思う。
 そのため、A810に付属された取扱説明書に記載されている手順説明をもとに設置と初期設定の流れを解説するが、あくまで機器を利用する手順のイメージを共有するためのものであり、全ての購入検討者に自力での設置を推奨するものではない。
●説明書の手順に沿って設置を進めていく
 では、取扱説明書に記載された手順を解説していく。フロント側に設置するカメラ本体に、電源ケーブルのUSB Type-C側を接続し、USB Type-A側をシガーソケットに接続する。
 続いて、フロント側カメラ本体に、microSDメモリーカードをセットしよう。microSDメモリーカードは製品パッケージの説明書などが含まれるフォルダに付属している。
 フロント側カメラ本体には、カラーディスプレイが備わっており、ここにメニューが表示される。保護シールが貼ってあるので、これを取ろう。車のエンジンをかけるとカメラの電源もオンになるので、ディスプレイ下部にあるボタンを操作して、画面指示に従いながら初期設定を進めよう。
 いよいよ車内への設置手順に入る。大まかに(1)ガラスに下地のシールを貼る、(2)機器を装着する、(3)配線をする——という流れだ。まずはフロントガラスに先ほど初期設定を済ませたカメラ本体を固定する。
 続いて、リアガラスにリアカメラを固定していこう。フロントのときとシールの向きが異なるので注意したい。
 あとは、付属するトリム工具を使ってピラーカバーを外して、配線を行えばよい。ただし、ここについては、多くの場合、先述の通り、自力で行うのが困難だと思われる。
●ドライブレコーダーの操作は本体またはアプリから
 設置が完了したA810に対する操作はカメラ本体に備わったボタンで行えるが、Wi-Fi接続したスマートフォン向けアプリから行うのが手軽だ。
 カメラ本体から操作する場合には、左から順に(1)前後カメラの切り替え、(2)手動での撮影開始、(3)撮影データのチェック、(4)設定——というならびになっている。
 アプリは、App Store上で「70mai(Worldwide)」、Playストア上で「70mai」の名称で提供されている。今回はiOS版アプリを使用した。
 短い時間で試用した範囲ではあるが、アプリがあることで、撮影データへのアクセスが容易になっており、ドライブレコーダーの設定項目も一覧で把握しやすく感じた。表示されるフォントが日本語フォントとして適切ではないのが惜しいが、使い勝手は悪くない。同製品の導入を検討する場合には、ぜひアプリの使用を前提に想定しておくと良いだろう。
 なお、本稿では詳細を割愛したが、「ADAS設定」を有効にすると、走行中に車線から逸脱したときや、前の車両が発信したとき、ほかの車両が近くなりすぎているときなどに、ドライブレコーダーが通知してくれることもポイントだ。こうした付加的な機能もアプリから設定が可能なので、あわせて覚えておきたい。

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