ハイブリッドワークの実態、進む「働き方の二極化」 レノボ調査

2024年4月24日(水)14時58分 マイナビニュース

レノボ・ジャパンは4月24日、同社が実施した「ハイブリッドワーク実態調査 2024」の結果を発表した。これによると、働く環境選択の自由度が高ければ仕事の成果が出やすいと感じている人が多い一方で、ハイブリッドワーク活用の度合いで「変わらない会社」と「変わりゆく会社」の働き方の二極化が進んでいるという。
同調査は同社が2月26日から27日にかけて、全国の20歳〜69歳の会社員・公務員・各種団体職員2000人を対象としてインターネット調査により実施したもの。
ハイブリッドワークの認知状況は、「知っている」が44.5%、「知らない」が55.5%だった。世代別に見ると20代が最も高く、年齢が上がるにつれて下がっていく傾向にある。
○テレワークの導入状況は?
テレワークの導入状況では、「組織として導入されており、自分にも適用されている」が28.5%、「組織として導入されており、自分には適用されていない」が13.1%、「廃止された」が4.3%、「導入されていない」が54.1%だった。約4割の企業がテレワークを導入している一方で、微減傾向にある。
従業員数別に見ると、3000人以上の企業では計67.2%が導入しており、300人未満の企業(計26%)と約2.6倍の差が見られる。
地域別では、東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)が計54.4%で、他の地域と比べて高い。その他の地域は平均(41.6%)を下回っており、東京圏から離れるほど導入率が低い。
○テレワークの利用率は?
テレワークが可能という回答者のうち、過去1年以内でテレワークを実際に利用した人は79.2%だった。
テレワーク制度はあるが直近1年間にテレワークを利用していない回答者に理由を聞くと、「オフィスの方が働きやすい」が67.4%で最も多く、以下「コピー機・プリンタなどの機器が必要だから」(57.2%)、「情報保護の観点」(51.7%)、「対面でのコミュニケーションが求められるため」(44.9%)の順だった。
コピー機やプリンタといった物理的勤務環境や、情報保護などのセキュリティ上の制限、社内での対面コミュニケーションのニーズといった理由が、「オフィスを敢えて選択する」という回答に反映されたと、同社は見ている。
組織としてテレワークを導入しており自分にも適用されているという回答者に、勤務形態の選びやすさを質問したところ、「できる(上司への申請や報告は不要)」が43.0%と最も多く、「できる(上司への申請は必要ないが、報告は必要」は31.3%、「できる(上司への申請かつ報告が必要)」は18.1%だった。
2022年の調査結果と比べると、事前申請や報告を省ける回答者数が増えているという。
○テレワークと出勤の比率は?
テレワークが可能な職務という回答者に出勤とテレワークの比率を尋ねると、43.5%が週5日出社(基本的に出社)を選択している。また、週の半分以上(3日以上)出社している人は計66.3%を占め、テレワークが可能な職務でも半数以上の回答者は週の半分以上出社しているのが実状だ。
勤務場所の選びやすさについてテレワークが可能な回答者に質問したところ、「できる(上司への申請や報告は不要)」が41.6%と最多であり、「できる(上司への申請は必要ないが、報告は必要」が28.3%、「できる(上司への申請かつ報告が必要)」が16.2%だった。働く場所についても、テレワーク導入企業の大部分が申請・報告手続を簡略化していると同社は見る。
テレワークが可能な回答者に対して、テレワークしにくいと感じた理由を聞くと、「社内関係者とコミュニケーションがとりづらい」が22.0%で最も多い。会社に起因する要因の中ではコミュニケーションの課題が最も大きく、次に物理的設備の整備状況が大きいと、同社は分析する。
直近1年間でテレワークをした回答者がテレワーク環境下で使用したことがある機器・設備では、ノートPCが82.4%で最多だった。自分で購入した経験がある機器・設備でもノートPCが36.7%と最も多い。一方、周辺環境の整備は道半ばだと同社は見ている。
直近1年間でテレワークをした回答者に実施場所を尋ねると、自宅でテレワークする人が多い一方で、自宅以外のサード・プレイスの利用が一定レベルで進んでいる。
仕事の成果が良くなると考える場所を質問したところ、「自宅+自宅以外」が47.4%で最も多い。また、「自宅(専用スペース)」と「自宅(共有スペース)」を併用している場合は、「良くなる」や「どちらかというと良くなる」の回答が比較的大きくなっている。
自宅以外の場所を選択することで、より成果が良くなると考える傾向にあり、その時の状況や気分に応じて働く場所を変えることが成果につながりやすいと感じていると、同社は分析する。
調査結果を受けて同社は、「ハイブリッドワークに対する認知率は高く、働く環境選択の自由度が高ければ仕事の成果が出やすいと感じている人が多いことが明らかになりました。一方で、活用の度合いは企業規模や地域によって大きな差が見られ、『変わらない会社』と『変わりゆく会社』の働き方の二極化が進んでいると考えられます。2024年、企業としてどのような勤務ポリシーを選択するのか、従業員体験を経営課題としてどこまで位置づけるのか、それらが問われる時代になっています」とコメントしている。

マイナビニュース

「ハイブリッド」をもっと詳しく

「ハイブリッド」のニュース

「ハイブリッド」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ