2023年ファブレス半導体売上高ランキング、NVIDIAが初の首位に TrendForce調べ

2024年5月14日(火)9時53分 マイナビニュース

TrendForceが5月9日、2023年のファブレス半導体企業売上高ランキングトップ10を発表した。
それによると、ファブレス半導体企業上位10社の売上高は前年比12%増の約1676億ドルで、この成長率の大部分をNVIDIAがけん引したという。というのも、トップ10社の合計売上高からNVIDIA分を除いた売上高は同8.8%減の1124億ドルとなるためで、NVIDIAのほか前年比でプラス成長を達成したのは、Broadcomの同7%増、中Will Semiconductorが同3%増、米MPSが同4%増の3社に留まるなど、MVIDIAの一人勝ちが強調される結果となっている。
TrendForceによると、2024年の間にICの在庫レベルが健全な水準に戻るほか、AIブームに後押しされて大手クラウドサービスプロバイダ(CSP)を中心に大規模言語モデル(LLM)の構築拡大が続くことが予測されるという。また、AIアプリケーションのエッジでの活用が進むことも期待され、AI搭載スマートフォン(スマホ)やAI PCの導入につながり、その結果、世界のファブレス市場規模は、今後も拡大することが期待されるとしている。
AI需要の恩恵を受けたNVIDIA、AMD、Broadcom
売上高トップのNVIDIAの業績は、AI半導体「H100」の高い伸びによるところが大きい。同社は、H200および次世代製品「B100/B200/GB200」のリリースにより、2024年も収益を拡大させることが期待されている。
また、売上高3位のBroadcomもAI半導体からの収入が伸びており、同社の半導体売上高の15%近くを占めた。しかし、TrendForceでは、2024年の業績について、無線通信分野からの収入が安定しているものの、ブロードバンドならびにサーバストレージ分野の売り上げを2桁近く落とす可能性があると予測している。
売上高4位のAMDもPC需要の減少と在庫問題で売上高は同4%減の226億8000万ドルにとどまったが、2024年はAI半導体MI300シリーズの伸びにより成長が期待されるとしている。
このほか前年トップのQualcommはスマホ市場の低迷、特に中国市場での需要低迷の影響を受け、売上高を同16%減の309億1300万ドルとし、NVIDIAに首位を明け渡す結果となった。現在同社は自動車市場の攻略を目指しており、車載半導体の売上高は2030年までに2倍以上になると予想されるという。
5位のMediaTekもスマホ市場の低迷に加え、PMIC、スマートエッジ分野の減速により、売上高を同25%減の138億8800万ドルと下げた。しかし2024年は、中国スマホメーカーによる「Dimensity 9300」の採用とハイエンドスマホの出荷台数増加が見込まれるため、2桁成長を遂げることが予想されるとしている。
6位以下の変動としては、これまで10位に居たCirrus Logicがランク圏外となり、代わりに米MPSが10位にランクインした。また、Realtekが同19%減の30億5300万ドルと減速し、去年の7位から8位に後退した。同社は、在庫の削減を積極的に進めてきており、2024年は下期以降の成長が期待されるという。
なお、日本のファブレス企業としてはソシオネクストが最大規模で、2023年度の売上高は2212億円ながらも円安の影響からドルベースに換算すると15億ドルに届かずトップ10入りを果たせなかった。

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