パナソニックや東京エレクトロンなどがIBMとMetaが主導する「AI Alliance」参画

2024年5月15日(水)18時9分 マイナビニュース

米IBMとMetaなどが設立した国際的なコミュニティ「AI Alliance」とLinux Faoundationは5月15日、都内でシンポジウム「AI Open Innovation Day」を開催。これに伴い、メディアブリーフィングが行われた。
グローバルで100以上の組織が参画する「AI Alliance」
AI Allianceは12月にIBMとMetaを発起人とし、オープンで安全な責任あるAIの推進を支援する国際的なコミュニティであり、現在はグローバルのスタートアップや大企業、研究機関など100以上の組織が参画。
日本からは東京大学、慶応大学、Citadel AI、Fenrir、日立製作所、NEC、SB Intuitions、Sakana AI、ソニーグループが参画している。
IBM AI Alliance ディレクターのアンソニー・アナンジアット(Anthony Annunziata)氏は、同社でオープンイノベーション・AIの責任者を務めている。
同氏は「AI Allianceではオープンなテクノロジーの構築、イネーブルメント、アドボケイトを行っている。これにより、社会やビジネスにメリットを提供できればと考えており、AIを安全、セキュアに信頼のある形でデプロイメントできることを確実にしていく」と話す。
AI Allianceでは「スキル&教育」「基盤モデル」「アプリケーションツール」「ハードウェア」「アドボカシー」「信頼」の6つを注力分野に位置づけており、現在では120のプロジェクトが進められている。
続いて、AI Allianceの既存メンバーと新加入した企業によるコメントが紹介された。既存のメンバーである、米Aitomatic アジア・パシフィック地域責任者の平山好邦氏は「当社は昨年12月のAI Alliance立ち上げから参画し、われわれは企業や業界のノウハウをもとに、オープンソースベースで特化型のエージェントを構築している。ワーキンググループにおいて、例えば業界特化型の半導体やアノテーションモデルの構築などに貢献していきたい」と力を込めた。
また、同じく既存メンバーで2月からAI Allianceに参画した日立製作所研究開発グループ 先端AIイノベーションセンター メディア知能処理研究部 部長の鯨井俊宏氏は「当社はAIをどのように社会実装し、価値を出していくのかを追求しており、特に信頼性や透明性、倫理性は非常に重要なポイントとなる。そのため、アライアンスではガイダンスやガイドライン、ガバナンスといった案先生に関してのホワイトペーパーの開発に加え、基盤モデルに関する活動を進めていく」と説明した。
パナソニックや東京エレクトロンなどが新規に参画
今回、新規に参画したのはパナソニック ホールディングス、東京エレクトロン、東京工業大学の3者だ。
パナソニック ホールディングス デジタル・AI技術センター所長 プラットフォーム本部副本部長の九津見洋氏は「4月末に参画し、AIの研究開発を加速するために、よりオープンな研究開発やコラボレーションを通じて事業に実装していければと考えている。BtoB、コンシューマ、オートモーティブ、デバイスなど、さまざまな当社のドメインでAIの導入が進んでいることから、特化したものを実装していくが重要だ」と抱負を語った。
さらに、東京エレクトロンは5月に参画。同社 デジタルデザインセンター部長代理の鈴木淳司氏は「オープンなコラボレーションを通じて半導体業過のイノベーションを加速していきたい。具体的には、アライアンスのワーキンググループであるインダストリアルAIについて産業特化型基盤モデルや半導体基盤モデルの構築を進める。半導体の公的な研究データや専門的な知識をフィルターを通じて、基盤モデルにインプットし、半導体に関わる組織の課題解決するような基盤モデルを構築していければと考えている」と力を込めた。
一方、半導体材料などを手がけるJSRでは今後、AI Allianceへの参画を前向きに検討している。JSR マテリアルズ・インフォマティクス推進室 室長の永井智樹氏は「マテリアルディスカバリーの領域を加速したい。マテリアルディスカバリーへのAI適用は、データの量が重要なっているが、実験データのコスト1つ1つは高額であるため、自社のスモールデータもカギになる。そのため、大規模な基盤モデルを活用して自社の小規模のデータの活用という点に興味を持っている。コミュニティを活用し、学んでいきたい」と展望を述べている。

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