サンワのペン型マウス「400-MAWBT202」を試す 充実の多機能、狭い場所で作業できる喜び

2024年5月24日(金)15時26分 ITmedia PC USER

サンワサプライペン型マウス「400-MAWBT202」。写真のレッド以外にも、ブラックとブルーがある

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 コロナ禍を経て、さまざまな働き方が定着してきた。出社してオフィスで仕事をするのがスタンダードだった以前と異なり、今では自宅、もしくはサードプレースと呼ばれる場所で仕事に励む人も増えている。訪問先から帰社せずにカフェなどで作業してから直帰するということも許されるようになってきた。
 とはいえ、出先での作業環境はオフィスと比べて決して良いものではない場合が多い。電源席を用意してPC作業を容認しているカフェなどでは、広々としたテーブル……ではなく、ほとんどの場合はカウンター席となっている。また、そもそもどのテーブルも狭い、というチェーン店もある。
 そのような狭いスペースでも快適なマウス操作を実現するのが、サンワサプライが発売したペン型マウス「400-MAWBT202」だ。実際の使い勝手を検証してみた。
●いつものペンより少し太め
 400-MAWBT202は、ブルーLED方式の光学センサーを採用したマウスで、使う際にはペンを持つように握り、ペン先をデスクなどの平滑面、または太ももの上や手のひらの上などに当ててカーソル操作を行える。
 接続方式はBluetooth 5.0または2.4GHzワイヤレスで、USB Standard-AのレシーバーにはUSB Type-Cの変換アダプターも付属する。
 まずは、パッケージ内容を確認してみよう。本体の他、レシーバーとUSB Type-C変換アダプター、充電用ケーブル、収納ポーチ、取扱説明書が付属する。
 レシーバーは本体のペン尻に当たる部分に格納可能だ。USB Type-C変換アダプターまで格納できないのが少し残念だが、充電ケーブルも含め、収納ポーチには本体と付属物全てが入る余裕があるので問題ないだろう。
 通常のクリックはペン先を押し付けることで行い、右クリックはペン先に近いボタンで、ダブルクリックは親指の当たる部分で行える。なお、左利きでも中指の第一関節で自然にダブルクリックできるので、右利き用ではあるが左利きの人でも問題なく使えるだろう。
 ウィンドウのスクロールにはホイールボタンを利用する。ホイールボタンを押し込んだ状態で400-MAWBT202を上下/左右に動かせば、自由自在にスクロールできる。
 繊細な作業をしたい場合、もしくは広大なスプレッドシートを操作するときなどにはカウント切り替えボタンでカーソルスピードを切り替えると良いだろう。こちらは押すたびに「800」「1200」「1600」カウントを切り替える。
 電源ボタンはスイッチ式だ。オン/オフの状態を把握しやすい。充電はUSB Type-C端子で行える。
 サイズは実測値で151(長さ)×約17(幅)mmで、重さは約20gだ(レシーバー除く)。ちなみに、手持ちの4色ボールペンやLAMY サファリボールペンと比較してみたところ、400-MAWBT202は多少太いという感じで、重さに至ってはLAMY サファリボールペンと約1gの差であった。
●狭くても作業できる喜び
 現場で検証ということで、タブレットPCとして使えるポータブルゲーミングPC「ONEXPLAYER 2」と、スリムなキーボード「EWiN キーボード」、そして400-MAWBT202を携えて、昼食がてらカフェで作業してみた。
 座席はコンセントがあり、作業スペースとして許可されているカウンター席を利用した。他のカフェに比べて広いスペースが確保されているとはいえ、自宅やオフィスほどのスペースはない。
 それでも、手首を動かす範囲だけでマウスカーソル操作ができるのはかなりありがたい。通常のマウスであれば、フットプリントが大きいこともあり2倍以上の作業スペースが必要になる。
 ペン先を押し込んで行うクリック操作も自然だと感じた。使い始めて15分ほどは、マウスを使い始めたばかりの人のように、クリック操作時にカーソルを動かしてしまい、狙った場所をクリックできずにいたが、動きの癖に慣れてからは、問題なく操作できるようになった。
 ホイールボタンによるスクロールも行いやすい。くるくる回すのが面倒なときには、ホイールクリックでスクロールモードにしておき、400-MAWBT202を上下/左右に動かす操作方法が楽だと感じた。
 ワンクリックでダブルクリックできるボタンがあるのも使いやすい。もちろん、ペン先を素早く2回、作業面に押し付ければいいのだが、1度で済ませる方がブレによる失敗を減らすのに効果的だ。
 右利き用にデザインされている400-MAWBT202だが、左手でも不自由なく使えたということは大きな声で言いたい。唯一、シンメトリーではないボタンがダブルクリックボタンの位置なのだが、利用前に想定していた通り、中指の第一関節から先で問題なく操作できることを確認した。
●使い勝手に癖がある
 左右両刀使いでもいけそうな半面、残念だった点がいくつかある。
思ったほうが良いだろう。1つはペン型であっても“お絵かき”など描画には向いていないということだ。これはマウスで描くのと同程度のクオリティーでしか描画できないと思ったほうが良いだろう。
 2つ目はペンクリップ非搭載ということだ。胸ポケットに入れられるのはいいが、屈んだときに落ちてしまうのではなかろうか。また、ペンクリップがあれば、胸ポケットのない服でも襟元などに留めておける。
 最後は、握り直すのが若干面倒だということだ。通常であればデスク上にあるマウスをサッとつかむだけで操作を始められるが、400-MAWBT202の場合、寝ている状態から起こしてつかみ、さらに向きを確認するという作業が必要になる。すぐに握って作業できるような、簡易的なスタンドがあれば良いのになぁと感じた。
 なお、「使いづらい」と感じる人がいれば次のことを試してほしい。
1. 太ももの上で使う
2. 一段下がった台の上で使う
3. 立て気味にして使う
 普段から、筆記用具を立て気味に使っていれば使用時に違和感を覚えないと思うが、寝かせ気味に書く人だと、思うように動かせないだろう。まずは太ももの上で使ってみて動きをチェックしてみることをオススメする。スムーズにマウスカーソルを操れるはずだ。
 体得したら、一段下がった台──例えば、キーボードスライダーとかキーボードトレーなどと呼ばれる作業スペースを使ってみよう。狭くても400-MAWBT202であれば不自由なく操作できる。問題なければそのままそこで作業を続けてもいいし、動きをマスターしたら、机の上に移動させても良い。ポイントは400-MAWBT202を“立て気味”にするということだ。
 “なくて七癖”ということわざにあるように、どんな道具にも使い勝手に癖がある。省スペースで作業できること、筆記用具のように胸ポケットやペンケース、バッグのペンホルダーに入れて持ち運べることなど、400-MAWBT202には使うべきメリットの方が多い。しばらく使い込んで、自分を400-MAWBT202に合わせていこうと思う。

ITmedia PC USER

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