夜間も視界を確保するFIRセンサを京セラが紹介 - 人とくるまのテクノロジー展2024

2024年5月24日(金)11時15分 マイナビニュース

5月22日から5月24日までパシフィコ横浜で開催されている、国内最大級の自動車関連技術展「人とくるまのテクノロジー展 2024」で、京セラは、遠赤外線を利用して映像化することで暗闇などの悪環境下でも周囲を検知できる、世界最小レベルの車載用小型FIRセンサのデモンストレーション展示を初めて行っている。
○自動運転時代へ世界最小クラスのFIRセンサを開発中
近年の自動車市場では、自動運転(AD)および先進運転システム(ADAS)の実現に向けた動きが活発化している。その実現において重要となるのが、人間に例えるならば“目”の役割を担う、周囲の撮像およびセンシング技術である。
AD・ADASを完全な形で実現するためには、明るい時間帯での周囲認識はもちろんのこと、夜間や悪天候時などでも高精度でセンシングをし続けることが求められる。既存の車載センシングシステムにおいては、可視光カメラや赤外線カメラ、距離の測定能力に長けたLiDARなどをそれぞれ個別に搭載してセンシングを行っていたとのことで、それでも検出精度は充分でない場合があったという。
今回京セラが展示しているFIRセンサは、物体から放射される遠赤外線を利用して映像化するもので、悪環境の影響を受けにくいことが特徴だ。
デモンストレーションでは、夜間を再現した暗闇や濃霧の環境を再現した場合の撮影映像を比較することが可能で、FIRセンサで撮影した映像の方が鮮明に周囲をセンシング出来ている様子が確認できる。また同センサは可視光の影響を受けにくいため、太陽光などの強い光を受けた部分が白くぼやける“ハレーション”なども起きにくいとする。
そして同製品の強みが、単2電池ほどのサイズへと小型化されていること。ブース担当者によれば「従来は可視光センサと赤外線センサを組み合わせて得られていた性能を、FIRセンサ1つで踏襲できうる」とのことで、走行距離の伸長などのため車載部品の削減による軽量化が求められる中、世界最小レベルを実現することで商品価値を高めているとのことだ。
AD・ADASの実現に寄与する新たな選択肢として市場を開拓することが期待される車載用FIRセンサ。京セラは、2028年の量産開始に向けて現在も開発を進めている最中だといい、今後の製品化に向けて顧客層への認知拡大も目指すとしている。
○電動バイクの操作感を再現する電子式スロットルもデモ展示
またブース内では、社内のセンサ技術を活用した電子式バイクスロットルのデモ展示も実施。スロットルに搭載された一体型センサにより、スロットルグリップの回転角度を迅速かつ正確にコントロールユニットへと伝達することで、運転者が従来のバイク同様の操作を行えるよう制御するという。
京セラはその他にも、電気自動車の効率的なモータ制御を実現するローターポジションセンサや、視認性や解像度を高める各種車載用カメラなど、さまざまな製品を展示。幅広く展開する技術を適用させることで、次世代のモビリティ社会に貢献していくとしている。

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