デルから綺麗めモバイルモニター「P1425」発売、新ノートPC「Dell 14 Plus」で試した
2025年5月29日(木)6時30分 マイナビニュース
米ロサンゼルスにて1月に開催された「CES 2025」で、デル・テクノロジーズから発表された新型ノートPCや周辺機器が、日本国内でも2月から順次発売になっています。
今回は国内でも発売された中から、スタンダードなモバイルノートPCである「Dell 14 Plus」と、ポータブルモニター「Dell Pro 14 Plusポータブルモニター P1425」をデル・テクノロジーズよりお借りし、実際に試して魅力をレビューしていきます。
○旧Inspironを継承、新しくブランディングされた「Dell 14 Plus」
デル・テクノロジーズのPCラインナップについて、2025年は大きな変化がありました。以前は「Inspiron」や「XPS」、法人向けの「Latitude」など、複数のブランドが設定されていましたが、現在は「Dell」に統一されています。
今回レビューする「Dell 14 Plus」は現在のラインナップにおいてはスタンダードなモデルに位置付けられ、従来の命名規則であれば「Inspiron」に相当します。
Dell 14 Plusはスタンダードモデルに位置付けられていますが、基本仕様は最新モデルらしく「Copilot+ PC」の要件を満たす、AI PCとなっています。
搭載されるCPUはIntelの「Core Ultra シリーズ2」、メインメモリも最大32GB搭載の構成を選ぶことができ、約14インチのディスプレイもアスペクト比が16:10、解像度も2560×1600ピクセルの高解像度パネルを搭載しています。
今回レビュー用に借りたモデルもCPUに「Intel Core Ultra 7 258V」、メインメモリ容量は32GB、1TBのSSDを搭載しています。公式サイトではさらに上位の「Intel Core Ultra 9 288V」を搭載した構成を選ぶことも可能で、スタンダードモデルと言いながら、AI利用など今後大きく変化を迎えるPCの使い方に対し、長く使える仕様に仕上げられています。
ボディカラーはアイスブルー。涼やかな色味とアルミユニボディの金属感の相性はよく高級感もあります。指紋汚れなども目立ちづらい仕上げなので、人前で使うことも多いノートPCが汚れて見えてしまう心配もありません。
ディスプレイの発色もよく最大輝度は300nitで十分に明るさもあります。表面は非光沢仕上げなので照明の光が写り込んだりすることもなく、屋内外問わずディスプレイはノートPCとしてかなり見やすいといえます。
入出力インターフェイスは本体左側にHDMI出力とUSB Type-Cが2つ、USB Type-CはUSB PowerDeliveryにも対応し、ACアダプタの接続先としても利用します。右側面にはオーディオ出力とUSB Type-Aが1つ。左右合計でUSBポートが3つあり、映像出力も別に用意されているため、普段使いでポート不足を感じることは少なそうです。
キーボードはアイソレーションタイプで、キーストロークも浅めですが底打ち感はなく、打鍵感に安っぽさはありません。一部のキーは詰まった配置になっていますが変則的な配置ではないため、タッチタイピングでの打ち間違いも起きづらいでしょう。バックライトもあるので暗くした会議室などでもキーの視認性も高く、薄型のノートPCではありますがキーボードの満足感は高めです。
Dell 14 Plusはスタンダードなモデルと位置付けられていますが、実際の動作もWindowsの起動から各種ソフトウェアの起動、ブラウジングなど、日常的な操作はキビキビと動作します。
実際にベンチマークテストで性能の計測も行いましたが、ブラウザのレンダリング速度を通じ性能を数値化する「Speedometer 3.0」の実行結果は「31.8」と、筆者が普段使用している「Intel Core Ultra 7 265K」を搭載したデスクトップPCとほぼ変わらないスコアを記録しました。
またブラウジングやオフィスソフトの利用、ビデオ会議や簡単な画像編集など、一般的なPC操作のパフォーマンスをテストする「PCMark10」の結果も高く、ゲームや動画編集のようなヘビーユースを除けば、動作に不満を感じる場面はなさそうです。
バッテリー稼動時間もPCMark10にて計測を行うと約14時間と長く、日中、外に持ち出して営業資料を開いたり、メールの返信などを行うよな使い方であれば、バッテリー切れを心配する必要もないでしょう。
○Dell 14 Plusといっしょに持ち運びたい、Dell Pro 14 Plusポータブルモニター P1425
続いてチェックしていくのが「Dell Pro 14 Plusポータブルモニター P1425」です。モバイルモニターとも呼ばれる軽量、小型の液晶モニターで、Dell純正とだけあって外観はDell 14 Plusのディスプレイ部だけを切り出したような見た目をしています。
ディスプレイとしての仕様ですが、約14インチ、解像度はWUXGA(1920×1200)でアスペクト比は16:10と、サイズ感や解像度もノートPCに繋いで使うと丁度いい仕様になっています。発色もsRGBカバー率100%で色鮮やかで、こちらも非光沢仕上げになっているので映り込みが気になることはありません。
モバイルモニターの表示部とは別に映像・電源の入出力に使うUSB Type-Cポートや、明るさの調整ボタンを備えたスタンド部があり、ディスプレイ角度もかなり自由につけることが可能です。安価なモバイルモニターも市場には溢れていますが、スタンド機能を有しないもの、有していても作りが簡単で、角度の自由がつかないものが多く使い勝手が決していいとは言えません。PCメーカーの純正周辺機器だけあって、スタンド部分の作りの良さが光ります。
PCとの接続は映像と電源の入力を、ノートPCのUSB Type-Cポートからケーブル1本で行えるため、別途ACアダプタを持ち運ぶ必要はありません。持ち運び用のキャリングケースも同梱されており、重量もケーブル含めて約616gと軽量で、モニター本体も薄型なのでノートPCといっしょに持ち運んでも荷物にはならなさそうです。
実際の使い方ですが、ノートPCのモニターだけでは画面が小さい、作業領域が狭いと感じるところ、Dell Pro 14 Plusポータブルモニター P1425を繋ぐことで単純に作業領域が2倍になる効果は大きいです。
オフィスワークでも昨今、フリーアドレスで大型のモニターが設置、利用できないことも珍しくありません。またテレワークやワーケーションとしてオフィスの外で仕事を行うことも増え、ノートPCのモニターだけでは作業スペースが狭く効率が悪い場合に、デュアルモニター環境を手軽に構築できる利便性はかなり高いです。
また、打合せなどではノートPCの画面に映した内容をDell Pro 14 Plusポータブルモニター P1425にミラーリング表示すれば自分が見ている画面そのものを打合せ相手に見せることもできます。
PC作業を行う際、例えばタブレットで資料を表示することで疑似的に2画面のようにすることもできますが、表示した資料のページを送っていくにはタブレットを操作する必要があり煩雑です。また資料を相手に見せる際、自分が見ている以外のページに勝手に進められてしまうとうまく打合せが進まないようなこともあります。
ですが、ノートPCからモバイルモニターに画面出力を行えば、2枚目の画面の操作はPCから行えますし、勝手にもう1枚の画面に表示されるものを操作される心配や手間もありません。
モバイルモニター自体は決して珍しいものではないのですが、PCメーカーが作った純正周辺機器だけあって、ノートPCと並べて使った際の見た目や細かな使い勝手の良さは、この組み合わせでないと得られない体験だと感じました。
Dell 14 Plusも今後拡充していくであろうAI機能の要件を満たしており、今後変化していくPCの使い方に十分対応できる余裕が感じられます。また、働き方がどんどん変化していく現在、PCの使い方、PCを使う場所に囚われず、パフォーマンスを最大限に発揮するツールとして、Dell Pro 14 Plusポータブルモニター P1425を組み合わせる効果は高いと感じました。
今後新しくノートPCの購入を行うのであれば、Dell 14 Plus、そしてDell Pro 14 Plusポータブルモニター P1425の組み合わせを検討してみるといいでしょう。