ガチヤンキーは絶滅危惧種!マイルドに広がり続けるヤンキー文化【現代ヤンキー白書】
はじめまして、若者の就労支援を行うハッシャダイの白ギャル編集長こと関田知子です!
ハッシャダイでは地方出身16〜24歳までの中高卒者に、自らの選択肢を広げてもらうため「職・食・住」を無料で提供し、一般教養やビジネスマナー、スキルを身につけるキャリア支援事業「ヤンキーインターン」を行なっています。
そのため地方出身者をはじめとした若者と触れ合う機会が多いのですが、「最近のヤンキーや若者は今までと違う」と感じます。ここでは「現代ヤンキーのリアル」をお伝えしていきたいと思います。
あなたの周りにヤンキーはいますか? 例年ニュースになる成人式の様子を見ると「まだまだいるんじゃない?」と思われるかもしれませんが、インターン生に聞くと「見たことない」もしくは「地元にはいる」といった声が大半です。
ヤンキー文化は、時代とともに変化しています。1980年代中頃からリーゼントやパンチパーマに特攻服やボンタンを着用するヤンキーが登場し、2000年代になると黒肌に鍛えた体、セットアップのジャージにセカンドバッグをあわせる「オラオラ系」のヤンキーが登場しましたよね。しかし今、このようなヤンキーは絶滅しかけています。
現代ヤンキーの特徴は今も「細眉」「茶髪」 警察にお世話になる不良は減少傾向そもそも「ヤンキー」は南北戦争時に使われていた"よそもの"を指す蔑称が語源と言われています。いつの時代でも、日本でもヤンキーは"よそもの"扱いですよね。だからこそ同じコミュニティ内での絆や繋がりがとても強くなるとも言えます。
ハッシャダイで「ヤンキー」インターンとしているのも、学歴や地方格差によって将来の選択に格差がある「ヤンキー=よそもので、ばかものな、わかもの」に自身の可能性に気づいて欲しいという思いがあるからです。ヤンキーがたくさんいるインターンだからではありません。
では、現在の「ヤンキー」像とは? 「地元にヤンキーがいる」人に聞くと、外見的には「髪を染めている」「眉が細い」という共通した特徴があがりました。一方、学校生活は「学校に来ない」と「真面目に授業を受けない」タイプに分かれることが分かりました。
沖縄出身のインターン生(19)は自身を、
「自分は学校に行かずに家にいて、たまに友達と遊んでいただけなので、ヤンキーというか……引きこもりです」
と言います。当時の写メを見せてもらうと一緒に写っている友達もみんな、茶髪か金髪にし、細眉、というヤンキーの特徴に当てはまっていました。また「学校に来ない」といえば、「引きこもり=友達がおらず暗い」「ヤンキー=学校に来ない」といったイメージがもありますが、その限りではないようです。
話を聞く中で、「悪いことをする=ヤンキー」という考えもあるのも分かりました。というのも外見的特徴に当てはまっても、一度も犯罪の話が出て来ませんでした。「悪いことをしていないからヤンキーじゃない」と感じているのではないでしょうか。若者の犯罪率減少(2018年警察白書)もあり、不良が減っているのは間違いないのでしょう。
成人式で見かけるド派手なヤンキーは「あくまで"イベント用の仮装"」しかし、例年成人式で派手な格好をして騒ぐ人がいるというニュースを見ると、「まだまだガチヤンキーっているんじゃないの?」と思いますよね。でも実際には、あの姿はあくまでも"イベント用の仮装"のようです。
成人式でガチな見た目をしている彼らも、通常時は「ふつう」という声が多いのです。神奈川出身のインターン生(21)は、普段黒髮で洗練されたモード系ファッションにみを包んでいます。しかし成人式の写メを見せてもらうと、この時だけは派手な袴に金髪でした。仲間にはリーゼントの子もいました。
なぜ成人式の時だけガチヤンキーになるのか……その理由は「先輩たちもみんな成人式は派手だったし、地元では伝統だから」とのこと。
地元を愛し、絆や上下関係を大切にする、言い換えると「みんながやっているから」という部分が大きく、特に「ツッパリたい」といった気持ちはないようです。近年加熱する仮装ハロウィン同様、やるのが当たり前と受け入れているように感じます。
とは言え、壇上に乱入するなど妨害行為をするようなガチヤンキーも本当にごく一部いますが、大半は悪さをせず、成人式で見た目だけ、という「マイルド化したヤンキー」だと思われます。
またこのようなずっと地元で友達とたむろし続ける人たちを、普通の若者は「ヤンキー」の認識しているのではないでしょうか。
B系もラップもヤンキーだけのものじゃない! 模範生も好む「ヤンキー文化」へ確かなことは、時代が変わるにつれて一概に「ヤンキーと言えばこれ」という分かりやすいアイコンが薄れてきていること。ヤンキーと一般的な若者の差が分かりづらくなってきています。
理由のひとつに、情報を得る方法の変化があげられます。今の若者はSNSや動画、アプリなどスマホで時間を潰すことが当たり前。昔よりも圧倒的に多くの情報に触れられ、さまざまなジャンルの物事や人と簡単に関われる環境になっています。
例えばサイズの大きい服に大きめのアクセサリーを合わせるB系ファッション、バッドテイストなラップ音楽など、昔はヤンキーだけのものでした。しかし今はいわゆる模範生たちも、「ヤンキー文化」を好きになっています。
昔はファッションから音楽まで「ヤンキーが好きなジャンル」と一括りにしていたものが、ヤンキーだけのものではなくなってきています。ひとつひとつ独立して、若者の中に浸透しているのが現状です。ヤンキーと一般的な若者の隔たりは、少なくなってきているのです。
【著者プロフィール】関田 知子
株式会社ハッシャダイ 白ギャル編集長
1989年生まれ。幼い頃から出版社に勤める父の影響で文章を書くこと、編集することに興味を持つ。若者の就労支援を行うハッシャダイの、現在の日本社会の構造上、認知されておらず可能性が閉ざされている「よそもので、ばかものな、わかもの」こそ、今後の日本をより良い方向へ推し進める原動力になるという理念に共感し、ジョイン。
体験と選択格差がない社会の実現を目指し、大人や若者へ向けて執筆中。
詳しくはハッシャダイディスカバリー、ハッシャダイカルチャー、ハッシャダイツイッター、ハッシャダイインスタグラムをご覧ください!
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