ミドル層のパワハラ経験率は8割 「毎朝些細なことで公開処刑」「機嫌が悪いと物を投げる」
エン・ジャパンは2月20日、ミドル層のパワーハラスメントに関する調査結果を発表した。調査は2018年12月〜2019年1月にネット上で実施し、同社運営の「ミドルの転職」を利用する35歳以上のユーザー2911人から回答を得た。
パワハラを受けたことがあると回答した人は82%。男女別に見ると、男性82%、女性83%。年代別では、30代79%、40代83%、50代以上83%と、性年代で大きな差は見られなかった。
パワハラを受けたことがある人に被害の内容を聞くと、最も多いのは「精神的な攻撃(公の場での叱責、侮辱、脅迫)」(66%)。上位3つには「過大な要求(不要・不可能な業務の強制、仕事の妨害)」(46%)、「人間関係からの切り離し(隔離、無視、仲間はずれ)」(36%)が入った。
また女性は「人間関係からの切り離し(隔離、無視、仲間はずれ)」(45%、男性33%)、「過小な要求(仕事を与えない、程度の低い仕事を命じる)」(33%、男性23%)、「個の侵害(プライベートに過度に立ち入る)」(27%、男性21%)が男性より多いことが分かった。
「ほぼ毎日、夜中に長文非難メールが送られる」「子育てを疎かにしていると言われる」被害をうけた相手は、男女ともに「同性・年上の社員」(男性82%、女性53%)が最多。女性は男性に比べ、「異性・年上の社員」(40%、男性16%)が多い。パワハラの内容を具体的に聞くと、
「リーダーからミーティングのスケジュールを知らされず、幾度も遅刻や未参加となった」(44歳女性)
「業務上の些細なことを洗いざらい拾われ、毎朝職場で公開で叱責を受けた。挙げ句、突然有無を言わさず解雇された」(41歳男性)
といった業務・就業に大きな影響が与えられるものや、「自身の機嫌が悪いと、机を蹴ったり、人に向けて物を投げたり、圧力をかけてくる」(39歳男性)といった暴力に訴えてくるというものがあげられた。また、
「ほぼ毎日、夜中に私への非難のメールが長文で送られてくる」(36歳女性)
「『子育てを疎かにしているのではないか』など根拠もなく悪口を言われたり、詮索をされ続けた」(35歳女性)
などプライベートを侵食するものも寄せられた。
パワハラにならないために「注意をした理由を説明する」「声を荒らげない」自身が行ったパワハラへ対策はトップ3が「退職した」(35%)、「気にしないようにした」(33%)、「パワハラをしてくる人とは別の上司や先輩に相談した」(31%)となった。
また自身が「パワハラをする側になる可能性・経験はない」と回答した人は65%だが、「自分の行動がパワハラではと思ったことがある」(27%)、「パワハラをしたことがある」(2%)という人も合計で3割いた。
パワハラ加害者にならないために「いまなぜ注意をしたか、理由を説明するようにしている」(35歳男性)、「指摘すべき内容をあらかじめ列挙し、それ以外のことは言わない。大前提として声を荒げない」(39歳男性)といった点に気をつける人もいる。
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