2018年春入社の新社会人「社長まで昇進したい」わずか1割 若いうちの苦労「わざわざする必要ない」過去最高に
日本生産性本部と日本経済青年協議会は6月21日、「働くことの意識」に関する調査結果を発表した。調査は今年3〜4月に実施。日本生産性本部が提供している新社会人研修に参加した企業の新入社員1644人から回答を得た。
働く目的を聞くと、最も多かったのが「楽しい生活をしたい」で41.1%。この項目は2000年以降に急増しており、今回で過去最高となった。次ぐ「経済的に豊かになる」(30.4%)も過去最高を更新した。
「デートの約束より残業優先」7割 「デート優先」を大きく上回る一面も一方、かつてバブル期を除いてトップになることもあった「自分の能力を試す」(10%)は2000年以降減少状態にあり、過去最低となった。また平成に入って増加していた「社会の役に立つ」(8.8%)も低下に転じている。
働き方について聞くと「人並みで十分」(61.6%)が、「人並み以上」(31.3%)を大きく上回った。両者の差は調査開始以降最大の30.3ポイントにまで開いている。理由としては、大卒求人倍率が高く、売り手市場であることが挙げられる。
「仕事」と「私生活」、どちらが中心かを聞くと、「両立」が78%で最多。残りを見ると、近年「仕事」中心は減少傾向にあり6.7%、「私生活」は15.2%となっている。
しかし「デートの約束があった時、残業を命じられたらどうするか」を聞くと「デートをやめて仕事をする」(68.5%)が「断ってデートをする」(30.9%)を大きく上回った。ただその差は2011年以降縮まっており、私生活を優先する人が増えてきているといえる。
昇進したいポストは「どうでもよい」が2割で過去最高若い内の苦労について聞くと、「好んで苦労することはない」が2011年から増え続け、今回は34.1%と過去最高となった。2010年代初頭は7割から支持されていた「苦労すべき」は、現在は50%を切っている。
会社を選ぶ時に重視することを聞くと、最も多かったのは「自分の能力、個性が活かせるから」(31%)。以降、「仕事が面白いから」(19%)、「技術が覚えられるから」(10%)と続く。自らの技能や能力、職種への適性に関心が持たれる時代に変化してきているようだ。
どのポストまで昇進したいかを聞くと、「どうでもよい」(17.4%)が最多。昨年度まで1位だった「専門職(スペシャリスト)」(20.3%)は16.5%に減少した。「社長」まで昇進したい人は、2008年には15.5%いたが、今回は10.3%で最低となった。
男女別に見ると、男性は最多が「部長」(23.1%)で、次いで「重役」(21.3%)。一方女性は「どうでもよい」(23.1%)が最も多く、「専門職」(21.7%)と続く。
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