【ドラマニア】真っ直ぐな思いが胸を打つ2024年冬ドラマ「勝手にベスト3」
シネマカフェ2024年3月27日(水)12時30分
2024年、始まりのクールとなる冬ドラマもいよいよ終了の時を迎えます。今期は、登場人物たちの真っ直ぐな思いが胸を打つ、ハッとさせられる作品が多かったように思われます。
そこで今日は、毎クール全ての作品をチェックしているドラマニアな筆者が「勝手にベスト3」を選んでご紹介! 総括として、ふり返っていきましょう。
第1位:日韓ドラマの新しい融合
「Eye Love You」
本作は、過去のある事故をきっかけに、目が合うと相手の心の声が聞こえる“テレパス”の能力を持つことになった主人公・本宮侑里(二階堂ふみ)が、超ストレートな年下の韓国人留学生・テオ(チェ・ジョンヒョプ)と出会い、新たな恋に踏み出していくトキメキ満載のラブストーリー。
否応にも相手の心が聞こえてしまうため、厄介な恋愛からしばらく遠ざかっていた侑里でしたが、心の声が韓国語で聞こえるテオとは素直に接することができて…。しかし、相手をより深く知りたいという欲求が募るほど、結局は、韓国語の意味を検索するなど、段々と行動に矛盾が。視聴者にもテオの心の声は翻訳されないため、恋愛のもどかしさを主人公と一緒に味わうことができたのが、大変斬新で面白かったなと思います。
加えてもう一点、本作に登場する日本の男性と韓国の男性とでは、恋愛のアピール方法が異なるという視点も「なるほどなぁ」と感心したポイント。出会った直後から「かわいいですね」「僕のこと、好きですか?」と言葉にして積極的に伝えるテオに対し、わざとじゃんけんに負けることで侑里を思いやるなど、片思いをひた隠しにする最強のビジネスパートナー・花岡(中川大志)。それぞれのキャラクターに魅力がありました。
最終回に向けては、前半戦の穏やかなムードが一転! 涙なしでは視聴できない、予期せぬどんでん返しがSNSでも大きな話題を集めたこのドラマ。ハニカミと切なさがの緩急が回を追う毎に癖になる作品となりました。
第2位:親の夢×自分の夢
交錯する思いと演奏が胸に響く
「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」
ある事件をきっかけに、愛する音楽の世界から退き、妻や子どもたちとも離れて暮らす道を選んだ世界的天才指揮者の父・夏目俊平(西島秀俊)と、5年ぶりに再会した娘・響(芦田愛菜)――大人になってしまったからこそムズがゆい、親子の気まずい同居生活を描いた愛の物語は、日曜の夜にぴったりの心温まるホームドラマに仕上がっていましたね。
サブタイトルの「アパッシオナート」は、イタリア語で“情熱的に”という意味。音楽にばかり情熱を傾けてきた俊平は、二十歳にして思春期真っ盛りの娘と無事和解することができるのか。気づけば、ハラハラ・ドキドキの展開から目が離せなくなっていました。
昨今、度々ドラマ化されるオーケストラものですが、本作は、オケメンバーが抱える様々な家族事情に焦点を当てていたのが大きな特徴です。中でも、天才と呼ばれる父に、少しでも追いつきたい一心でバイオリンに全力を注いできた響。甲子園を共に目指そうという父(柄本明)の夢から逃げ出し音楽を始めた俊平。家族から愛されたくて、反対を振り切って音楽を始めた市長の娘・天音(當真あみ)。それぞれの葛藤がぎゅっと視聴者の胸をしめつけて…。
人の心を動かす情熱的な演奏の裏側には少なからず、奏でる人たちの人生、内なる思いが込められているのだと痛感させられました。ラストの演奏は、これまでの展開が走馬灯のように思い起こされる切なくも美しい仕上がりに。音楽の醍醐味を味わうことができるおすすめの一作。
第3位:ハッとさせられる!
心をアップデートしていく
「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」
本作「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」は、練馬ジムさんの同名漫画を原作とした実写化作品。偏見まみれの発言で家族からも部下たちからも疎まれていた“おっさん”こと沖田誠(原田泰造)が、ゲイの青年・五十嵐大地(中島颯太)と出会うことで、これまでの古い常識をアップデートしていくことを決意する、家族のための大奮闘です。まさしく多様な価値観が飛び交ういまの時代にこそ、ひとりでも多くの人に視聴してほしいイチオシのドラマと言えるでしょう。
変わりたいと願って努めても、なかなか変われないのが人生のあるあるかもしれませんが、このドラマの主人公・誠は、ものすごい勢いで成長を遂げていきます。時に調子に乗り、想定外の方向から相手を傷つけてしまうこともあるのですが…。何度も失敗して、それでも立ち上がって真摯に相手と向き合ううち、相手も次第に「この人のことを、もっとちゃんと知ってみよう」と心を開いてくれるようになります。
「頼むから、俺を諦めないでくれ」このセリフこそ、私たちがつい忘れてしまっている大切なポイントなのかもしれません。視聴した人の背中をそっと優しく押してくれること間違いなし! 夫婦、親子、友達――あらゆる角度からハッとさせられる金言が詰まった一作を、心のアップデートに活用してみてはいかがでしょうか。
以上、次回は春クールのおすすめ作品をピックアップしてご紹介していきます。お楽しみに。
そこで今日は、毎クール全ての作品をチェックしているドラマニアな筆者が「勝手にベスト3」を選んでご紹介! 総括として、ふり返っていきましょう。
第1位:日韓ドラマの新しい融合
「Eye Love You」
本作は、過去のある事故をきっかけに、目が合うと相手の心の声が聞こえる“テレパス”の能力を持つことになった主人公・本宮侑里(二階堂ふみ)が、超ストレートな年下の韓国人留学生・テオ(チェ・ジョンヒョプ)と出会い、新たな恋に踏み出していくトキメキ満載のラブストーリー。
否応にも相手の心が聞こえてしまうため、厄介な恋愛からしばらく遠ざかっていた侑里でしたが、心の声が韓国語で聞こえるテオとは素直に接することができて…。しかし、相手をより深く知りたいという欲求が募るほど、結局は、韓国語の意味を検索するなど、段々と行動に矛盾が。視聴者にもテオの心の声は翻訳されないため、恋愛のもどかしさを主人公と一緒に味わうことができたのが、大変斬新で面白かったなと思います。
加えてもう一点、本作に登場する日本の男性と韓国の男性とでは、恋愛のアピール方法が異なるという視点も「なるほどなぁ」と感心したポイント。出会った直後から「かわいいですね」「僕のこと、好きですか?」と言葉にして積極的に伝えるテオに対し、わざとじゃんけんに負けることで侑里を思いやるなど、片思いをひた隠しにする最強のビジネスパートナー・花岡(中川大志)。それぞれのキャラクターに魅力がありました。
最終回に向けては、前半戦の穏やかなムードが一転! 涙なしでは視聴できない、予期せぬどんでん返しがSNSでも大きな話題を集めたこのドラマ。ハニカミと切なさがの緩急が回を追う毎に癖になる作品となりました。
第2位:親の夢×自分の夢
交錯する思いと演奏が胸に響く
「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」
ある事件をきっかけに、愛する音楽の世界から退き、妻や子どもたちとも離れて暮らす道を選んだ世界的天才指揮者の父・夏目俊平(西島秀俊)と、5年ぶりに再会した娘・響(芦田愛菜)――大人になってしまったからこそムズがゆい、親子の気まずい同居生活を描いた愛の物語は、日曜の夜にぴったりの心温まるホームドラマに仕上がっていましたね。
サブタイトルの「アパッシオナート」は、イタリア語で“情熱的に”という意味。音楽にばかり情熱を傾けてきた俊平は、二十歳にして思春期真っ盛りの娘と無事和解することができるのか。気づけば、ハラハラ・ドキドキの展開から目が離せなくなっていました。
昨今、度々ドラマ化されるオーケストラものですが、本作は、オケメンバーが抱える様々な家族事情に焦点を当てていたのが大きな特徴です。中でも、天才と呼ばれる父に、少しでも追いつきたい一心でバイオリンに全力を注いできた響。甲子園を共に目指そうという父(柄本明)の夢から逃げ出し音楽を始めた俊平。家族から愛されたくて、反対を振り切って音楽を始めた市長の娘・天音(當真あみ)。それぞれの葛藤がぎゅっと視聴者の胸をしめつけて…。
人の心を動かす情熱的な演奏の裏側には少なからず、奏でる人たちの人生、内なる思いが込められているのだと痛感させられました。ラストの演奏は、これまでの展開が走馬灯のように思い起こされる切なくも美しい仕上がりに。音楽の醍醐味を味わうことができるおすすめの一作。
第3位:ハッとさせられる!
心をアップデートしていく
「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」
本作「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」は、練馬ジムさんの同名漫画を原作とした実写化作品。偏見まみれの発言で家族からも部下たちからも疎まれていた“おっさん”こと沖田誠(原田泰造)が、ゲイの青年・五十嵐大地(中島颯太)と出会うことで、これまでの古い常識をアップデートしていくことを決意する、家族のための大奮闘です。まさしく多様な価値観が飛び交ういまの時代にこそ、ひとりでも多くの人に視聴してほしいイチオシのドラマと言えるでしょう。
変わりたいと願って努めても、なかなか変われないのが人生のあるあるかもしれませんが、このドラマの主人公・誠は、ものすごい勢いで成長を遂げていきます。時に調子に乗り、想定外の方向から相手を傷つけてしまうこともあるのですが…。何度も失敗して、それでも立ち上がって真摯に相手と向き合ううち、相手も次第に「この人のことを、もっとちゃんと知ってみよう」と心を開いてくれるようになります。
「頼むから、俺を諦めないでくれ」このセリフこそ、私たちがつい忘れてしまっている大切なポイントなのかもしれません。視聴した人の背中をそっと優しく押してくれること間違いなし! 夫婦、親子、友達――あらゆる角度からハッとさせられる金言が詰まった一作を、心のアップデートに活用してみてはいかがでしょうか。
以上、次回は春クールのおすすめ作品をピックアップしてご紹介していきます。お楽しみに。
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