北朝鮮、ロシアから「コロナ後初」の外国人ツアー受け入れ
北朝鮮は、2020年1月に新型コロナウイルス対策として国境を閉鎖し、外国人観光客の受け入れを中止したが、ようやく再開するもようだ。
駐平壌のロシア大使館は、Facebookのページに沿海州のコジェミャコ知事から届いた書簡を公開した。その中で知事は「97名からなるロシア観光客の第一陣が2024年2月9日から12日まで北朝鮮を訪問する」「ツアープログラムには平壌と馬息嶺(マシンリョン)スキー場への訪問が含まれる」と明らかにした。
このツアーはウラジオストクの旅行会社「ボストーク・イントゥール」が主催する3泊4日のもので、同社のウェブサイトによるとウラジオストクから航空機で平壌入りして市内見学後に1泊する。翌日に元山の葛麻(カルマ)国際空港まで航空機で移動し、大規模リゾート施設を見学後、馬息嶺スキー場で2泊する。そして、葛麻空港から平壌空港を経てウラジオストクに出国するというコースだ。
旅行代金は航空機代、ビザ代、交通費、宿泊費、朝食込みで750ドル(約11万2000円)だ。スキー場の利用料金とスキー用具のレンタル費を合わせたセットは2時間で40ドル(約5970円)、8時間で95ドル(約1万4190円)、ケーブルカーは15ドル(約2240円)、リフトは10ドル(約1490円)だ。
また、ゲレンデには10のコースがあり、最も傾斜のきつい第9コースは最大傾斜39.8度、最も長い第1コースは5091メートルある。
なお、旅のしおりには旅行中の注意点が書かれているが、目を引くのは携帯電話に関する記述だ。
それによると、音声通話はSIMカードを50ドル(約7470円)で購入してWCDMA方式(3G)の携帯電話に挿入して使用するが、国際電話や他の外国人所有の番号とのみ通話が可能で、北朝鮮国民との通話はできない。
モバイルインターネットは平壌のホテルでSIMカードを購入する必要がある。
ネットでライブを行ったり、スカイプを利用したりするのは、120ドル(約1万7920円)のSIMカードと購入した上で、50MBで90ドル(約1万3440円)の初期費用がかかり、その後は1MBごとに0.38ドル(約57円)の料金がかかる。金剛山ホテルと馬息嶺ホテルにはネットにアクセスできるパソコンがあり、平壌の羊角島(ヤンガクト)国際ホテル、高麗ホテルの1等、2等客室では、平壌到着の1週間前までに申し込めばネット接続が可能になる。
文字だけのメールは1通2.2ドル(約329円)で、ホテルのメールボックスを使用してやり取りを行う形で、個人のアカウントは使用不可だ。
今回のツアーが、本格的な外国人観光客の受け入れ再開に繋がるか否か、現時点ではわからない。3月26日には、サッカーワールドカップの北中米W杯アジア2次予選が平壌の金日成競技場で開かれる予定だが、日本人のサッカーファンの受け入れが実現するか、今の時点では不明だ。
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