北朝鮮に「スティックコーヒー」を密輸し逮捕された国境警備隊員
今月8日の午前0時ごろ、北朝鮮北部の両江道(リャンガンド)金亨稷(キムヒョンジク)郡と金正淑(キムジョンスク)郡の境界線付近で、兵士2人が逮捕された。容疑は密輸だ。
北朝鮮は先月28日、中国で拡大する新型コロナウイルスによる感染症「COVID-19」の国内流入を防ぐために、中国との貿易を全面的に停止する措置を取った。今回の密輸摘発は、貿易を停止して以降初めてのものとなる。
両江道のデイリーNK内部情報筋によると、逮捕された2人は国境警備隊所属で、現場付近で警戒勤務を行っていたが、中国側の業者から何らかの形で品物を受け取り、所属部隊に戻る途中で取り締まり班に摘発された。
中国からの品物を持っていたが、2人は「中国側から(品物を)投げてよこした、(中国人との)接触はなかった、受け取った品物はお酢に浸した布で拭いた」と主張した。しかし、2人は現在、別々の部屋に隔離され、両江道人民病院の医師や防疫担当者の監視下に置かれている。取り調べは、検査結果が出てから行われるとのことだ。
ちなみに、鴨緑江の向こうの中国・吉林省で新型コロナウイルスの感染者は13日の時点で、84人に達しているが、金亨稷郡、金正淑郡と向かい合う長白朝鮮族自治県を含む白山市では、感染者は出ていない。
中国の業者から受け取った品物は、スティックタイプのコーヒーと、中国の公安が履いている軍靴だった。
2人が所属する部隊の上級部隊の25旅団は、厳しい取り調べを行う予定だ。
国家保衛省(秘密警察)が、国境の警戒強化の指示を下してから間もない時期に起きた事件であることを考えると、2人には見せしめ目的で非常に厳しい処罰が下される可能性がある。
逮捕された2人のうち1人は、兵役を終えてまもなく除隊する予定だった。除隊に際して軍からはほとんど何ももらえないため、除隊を控えた兵士たちは、密輸などに手を出して生活資金を稼ぐのが一般的だ。
一方で、情報筋は末端の兵士だけが摘発され、裏にいる上官は罪を問われていないと述べている。
人民武力省系の貿易会社は今月1日、中国から韓国製マスクを大量に取り寄せている。税関を通じて持ち込まれたので、国の機関がグルになって堂々と「密輸」をした形だ。
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