北朝鮮の核実験場、崩壊の程度がひどく復旧には時間要す模様
北朝鮮は2018年5月、咸鏡北道(ハムギョンブクト)吉州(キルチュ)郡の豊渓里(プンゲリ)にあった核実験場を爆破した。
先月になってから、ここで何らかの建設作業が行われているのが観測され、核実験場を再建するのではないかと言われているが、それには時間がかかるとの見方が示された。
北朝鮮国内のデイリーNK高位情報筋によると、当局は豊渓里核実験場の3番坑道の復旧作業のために人員を投入し、関連工事を進めている。当初は来月に核実験を行う予定でいたが、爆破後に坑道が自然崩壊した上に、技術的問題があり、作業期間がさらに伸びると見ている。
核心施設の復旧のためには、特殊技術作業を専門に行う朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の第1旅団第7連隊の人員が投入されなければならないが、今のところまだ投入されていない。
情報筋はこの連隊について「重要な実験が行われるたびに動員される技術連隊」だとし、まだ投入されていないことについては「(復旧工事が)まだ最終段階の技術装置を設置する作業に入っていないという意味」だと説明した。
復旧作業の進捗状況によっては、核実験の時期は前後するだろうというのが情報筋の見立てだ。また、「内部では威力強化のために水爆実験も必要だという話が出ている」と述べた。
米・科学国際安保研究所(ISIS)のデービッド・オルブライト所長は、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)とのインタビューで、「北朝鮮が核実験を再開するなら、水爆と関連した核実験になると予想される」「北朝鮮はより小さなウランを使い小型化された2段階水素爆弾の発展を望んでいるだろう」と述べた。
今のところ、北朝鮮当局が豊渓里の坑道復旧作業の完了後に水爆実験を行うか、7回目の小型戦術核実験後に行うかは、明確に把握されていない。
ただし、北朝鮮当局が坑道復旧後すぐに核実験に着手する計画を持っているならば、低威力の戦術核実験を行う可能性が高いものと見られている。
そんな中、朝鮮労働党の内部では、国際社会で核保有国として認められるためには、7回目の核実験を必ず行わなければならないとの考えが広がっているとのことだ。
北朝鮮は、党内の高位幹部に対して近日中にミサイルの性能改良と共に、多弾頭搭載技術を完成させることで、自衛的国防力をさらに強化しなければならないと強調している。当局が高位幹部に核実験の当為性を認識させる事前作業を終えた状況であるため、幹部らは核実験が近日中に行われるものと見ている。
一方、北朝鮮は核実験を再開させたとしても、国連安全保障理事会と米国の対北朝鮮制裁が政権に大きな打撃を与えるには至らないと見ている。実際、国連安保理はロシアと中国の反対で、先月24日の北朝鮮のICBM実験に対応する追加制裁案の採択には至っていない。米国は、朝鮮労働党軍需工業部傘下のロケット工業部、朝鮮勝利山(スンリサン)貿易会社、合掌江(ハプチャンガン)貿易会社など、ICBM開発を支援した機関に対する制裁案を発表している。
北朝鮮は、党幹部に対して「われわれは70年間制裁を受け続けてきた」「気にもするな」との内容の思想教育を行っていると伝えられている。
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