北朝鮮が震撼「一個中隊200人が壊滅」…中朝国境で厳戒
中国外務省は29日、遼寧省丹東市と北朝鮮の新義州(シニジュ)を結ぶ貨物列車の運行を一時停止したと明らかにした。丹東で新型コロナウイルスの流行が拡大していることを受け、中朝両国が協議して決めたという。
北朝鮮は2020年1月、新型コロナウイルスの流入を防ぐとして国境を封鎖。中国からの列車の乗り入れも停止したが、今年1月に約2年ぶりに丹東の路線を再開していた。
貿易再開による経済難の打開が期待されたが、またもやコロナに阻まれた形だ。
丹東市衛生健康委員会によると、同市内では24~28日、計300人以上の新型コロナの感染者が確認されたという。
北朝鮮は今なお国内での感染者発生を「ゼロ」としているが、実際には相当数の感染が疑われる情報が数多く出ている。
中国との国境地帯では昨年6月、咸鏡北道(ハムギョンブクト)鏡城(キョンソン)郡に駐屯する国境警備隊で発熱患者が急増し、中隊が丸ごと隔離され、壊滅状態に陥る事態が起きた。
当時、軍医が発熱の理由として挙げたのは、パラチフスだ。パラチフス菌と腸チフス菌に汚染された水や食べ物により感染する感染症で、衛生環境の悪い途上国で多く発生しており、北朝鮮でもしばしば流行している。
ただ、コロナと疑わしき症状が出ていたとしても、コロナであると認めることは許されず、検査体制も整っていないため、何の病気か正確に診断することは不可能だ。北朝鮮当局も内部では、コロナ感染を疑っていたふしもある。
実際、北朝鮮当局はここへ来て、国境警備隊に過剰とも思える指示を下している。
中国・遼寧省と国境を接する平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、当局は今月初旬、国境警備隊員に対して防毒マスクを着用して勤務に当たるように指示を下した。中国からの、コロナ侵入を警戒しての措置だという。
また、先月には吉林省と国境を接する慈江道(チャガンド)中江(チュンガン)に駐屯する国境警備隊員にも同様の指示が下されている。ただ、国境全域で同様の命令が下されたかは確認されていない。
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