中国・武漢市を訪れた仏自動車部品工業会会長が驚き「教えることは何もない」―仏メディア
中国メディアの環球時報は28日、中国・武漢市を訪れたフランス自動車部品工業会(FIEV)の会長が「教えられることは何もない」と驚いたとの仏紙ル・モンドの記事を紹介した。写真は武漢。
中国メディアの環球時報は28日、中国・武漢市を訪れたフランス自動車部品工業会(FIEV)の会長が「教えることは何もない」と驚いたとする仏紙ル・モンドの記事を紹介した。
記事は、「フランスの自動車メーカーにとって湖北省の省都・武漢市はおなじみの場所だ」と説明。「シトロエンとプジョーはここで彼らにとって最初の中国製自動車を生産し、その後、日産とルノーが続いた。これらのメーカーは現地で同じパートナーと提携した。それは、中国の国有企業・東風である」と述べた。
一方で、「過去10年で中国とフランスの自動車産業の構造は完全に覆された」と指摘し、「プジョーシトロエン・グループ、つまり現在のステランティス・グループは中国での生産活動を縮小しており、武漢にある同グループの3工場のうち、現在も稼働し、ガソリン車を生産しているのは1カ所のみである」と述べた。
その上で、「フランスのラファラン元首相はシトロエンの中国進出を『中国自動車のゆりかご』と表現したが、現在、中国の自動車業界は変革を遂げている」とし、「東風は目下、中国自動車産業の電動化の流れに直面しており、BYD(比亜迪)、吉利、奇瑞、蔚来、零走、小鵬などのブランドと相対することを余儀なくされている。これらのブランドは非常に柔軟な生産方式によって、製品の発売ペースを加速している」と論じた。
また、「武漢は深セン、広州、上海などと比べて近代化が目立っていない。武漢にある工場で年間100万台を生産するのは難しいかもしれないが、この街は停滞に陥っているわけではなく、多くのタクシーが新エネルギー車用のグリーンナンバーを付けている。車の屋根に搭載されたセンサーで自動認識できる数百台のスマートタクシーもある。ただ、規制上の理由からすぐに運転を引き継げるよう、運転手は常に配置されている」と紹介した。
さらに、「工場だけでなく電気自動車(EV)の部品メーカーも武漢に根を下ろしている」とし、「ソフトウェアアーキテクチャと車載電子製品の研究センターを運営するヴァレオグループは、中国に4500人の研究開発者を置いているが、そのうち1700人が武漢にいる」と説明。同グループの中国地区の責任者が「大学の数でみた場合、武漢は北京に次いで第2位だ」と述べたことを伝えた。
記事は、東風グループも電動化分野で追い上げを見せているとし、同社が立ち上げたブランド・嵐図の現場を見学したFIEVのクロード会長が「われわれが彼らに教えることは本当に何もない」と述べ、驚きを隠さなかったと伝えている。(翻訳・編集/北田)
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