新疆の野生動植物を守るデジタル技術―中国メディア
新疆ウイグル自治区はデジタル技術の野生動植物保護における応用のイノベーションを強化している。
高い山に立つ「雪山の隠者」と呼ばれるユキヒョウの姿が赤外線カメラによってはっきり浮かび上がる。千里を飛ぶ渡り鳥の移動ルートが衛星によって鮮明に記録される。灌木林ではAI(人工知能)顔認証によりビーバーを正確に見分けることができる。天山網が伝えた。
新疆ウイグル自治区はデジタル技術の野生動植物保護における応用のイノベーションを強化し、衛星追跡、赤外線カメラによるモニタリング、ドローン、動画による監視、リモートセンシング、野外巡回保護アプリなどの現代情報技術を利用し、野生動植物スマート保護体制を徐々に構築し、科学技術の力で野生動植物の多様な美を守っている。
新疆天山天池景勝地大東溝エリアで4月に撮影されたユキヒョウの「穴掘り」の動画が広く注目された。映像では、数頭のユキヒョウは斜面の頂上で適切な場所を選ぶと、後ろ脚で地面を何度か蹴り、そして悠々と離れていった。「穴掘り」はユキヒョウが縄張りをマークするための行為だ。ユキヒョウの知られざる一面が動画によって明らかになった。
他にも、新疆アルタイ山国有林管理局富蘊分局は4月8日、冬に設置した赤外線カメラを回収した際に、ユキヒョウなど複数の国家保護動物の鮮明な映像を確認した。同エリアでユキヒョウの映像が撮影されたのは2年連続。撮影された動物の数を比較することで、野生動物が年々増加していることが分かる。森林地帯の効果的な管理・保護は、野生動物を守っている。
中国科学院新疆生態・地理研究所の馬鳴(マー・ミン)研究員は、「動画や画像でユキヒョウなどの野生動物の姿が見られたのは、赤外線カメラが野生動物のモニタリングで広く応用されているからだ。赤外線カメラには、自動で撮影し野生動物への干渉がないという利点があり、現在すでに野生動物をモニタリングし研究するための重要手段になっている」と述べた。
地上に科学技術の手段があるだけでなく、宇宙の衛星や空のドローンも新疆スマート野生動植物保護体制の一部になっている。 新疆羅布泊野生ラクダ (フタコブラクダ)国家級自然保護区には、中国1級重点保護野生動物の野生ラクダが生息している。保護区はここ数年、科学研究・モニタリングを積極的に実施し、「宇宙・空・地上」一体化モニタリング体制を構築している。宇宙では衛星測位により、衛星追跡首輪を装着した26頭の野生ラクダの追跡を行い、その活動範囲と移動の習性を把握する。空ではドローンにより巡回保護の効率を高め、各種違法犯罪行為を速やかに発見し、野生ラクダとその生息地環境への妨害を防ぐことができる。保護区は現在すでに野生ラクダの全方位にわたる全プロセスのモニタリング・追跡を実現している。野生ラクダの成長、繁殖、移動などの状況をすべて把握できる。
鳥の換羽状況、年齢、性別、体脂肪率を記録し、衛星追跡装置を装着する。中国の重要な野生鳥類生息地であるボステン湖で、全国鳥類環志センターの専門家が鳥に衛星測位装置を取り付け、渡り鳥の移動、分布、季節的な移動、群れの構造などの状況をより良く理解・研究する。衛星測位装置はバックグラウンドに持続的かつ定期的に位置情報を送り、渡り鳥の移動ルートマップをはっきりと示し、渡り鳥の移動ルート、休憩地点、移動時間の研究に科学的データ分析を提供する。
卡拉麦里の広大な荒野で、ノウマの位置が指揮センターの巨大ディスプレーにリアルタイムで表示される。保護区の奥深くで待機しているドローンは指揮センターの指示を受けると自動で離陸し、巡航する。保護区の広い範囲の野生動物の追跡、火災モニタリング、緊急処置を実現し、保護区の空中生態感知能力を高めている。(提供/人民網日本語版・編集/YF)
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