金正恩氏、中朝国境の特区を視察…失脚説の黄炳瑞氏が同行
北朝鮮国営の朝鮮中央通信は30日、金正恩党委員長が中国との国境に面した平安北道(ピョンアンブクト)の薪島郡(シンドグン)と、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の第1524軍部隊を視察したと伝えた。視察の日時は明らかにされていない。同部隊は、薪島郡に駐屯していると見られる。
金正恩氏は同郡で、「葦による化学繊維生産を活性化するためには薪島郡を大規模な葦栽培拠点らしく立派に整備し、葦の栽培を科学化、現代化してヘクタール当りの収量を高め、葦輸送問題を解決して各工場に繊維原料を円滑に供給すべきだ」と述べ、そのために自身が積極的に支援すると語ったという。
1524部隊では兵士らの食生活をチェックし、「今後も軍人が何の不便もなく勤務の遂行に専心できる生活土台を築くための活動に力を入れなければならない」と強調した。
一方、同通信は今回の視察に「朝鮮労働党中央委員会の幹部である黄炳瑞(ファン・ビョンソ)、韓光相(ハン・グァンサン)、金成男(キム・ソンナム)、趙甬元(チョ・ヨンウォン)の各氏と国務委員会のキム・チャンソン部長が同行した」と伝えている。
失脚が伝えられていた黄炳瑞元軍総政治局長の動向に北朝鮮メディアが言及したのは、昨年10月12日以来。党中央委の部長クラス(日本の閣僚級)として復権したものと見られる。
薪島郡には、2011年に「経済地帯(特区)」に指定された鴨緑江(アムロッカン)河口の中州・黄金坪(ファングムピョン)も含まれる。黄金坪は中国との共同開発計画があるが、主導していた張成沢(チャン・ソンテク)元党行政部長が処刑されて以降、中断している。
今年、金正恩氏の3回にわたる訪中で中朝関係は緊密化しており、今回の現地指導も、計画再始動を視野に入れたものである可能性がある。韓光相、金成男、趙甬元の各氏は、金正恩氏の訪中に毎回、同行している。中でも党国際部第1副部長の金成男氏は、北朝鮮きっての中国通として知られる。
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