「自主権尊重の原則に対する蹂躙」北朝鮮外務省、米国に反発
北朝鮮外務省の報道官(スポークスマン)は12日、「米国がわれわれに対する挑発の水位を高め続けている」とする談話を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。
米国のポンペオ国務長官は10日、ワシントンでロシアのラブロフ外相と会談し、北朝鮮に対する経済制裁の履行を徹底するよう要求した。また、米国は北朝鮮のミサイル問題を協議する国連安保理の公開会議の開催を要請するなど、北朝鮮に対して圧力を強める姿勢を見せている。
談話は米国の圧力や米朝対話が停滞している現状に対して反発した形だ。
談話は、米国の圧力に対して「自主権尊重の原則に対する乱暴な蹂躙」とし、「われわれはこれ以上失うものがなく、米国が選択するいかなることにも相応の対応をする準備ができている」と述べた。
そのうえで、「米国は、今回の会議招集を機に我が手で首を絞めるような愚かな行為を働いたし、われわれをしてどの道を選ぶかに対する明白な決心を下すのに決定的な助けを与えた」と主張した。
同通信の報道全文は次のとおり。
朝鮮外務省代弁人 朝鮮は米国が選択するいかなることにも相応の対応をする準備ができている
【平壌12月12日発朝鮮中央通信】朝鮮民主主義人民共和国外務省のスポークスマンは12日、次のような談話を発表した。
年末の時限が日一日近づいている中、米国がわれわれに対する挑発の水位を高め続けている。
10日、米国務長官のポンペオが国連制裁決議を徹底的に履行すべきだと言いふらしたのに続いて、11日、米国は国連安保理の公開会議なるものを開き、われわれの自衛的な武装近代化措置に言い掛かりをつける敵対的挑発行為をまたもや強行した。
国際平和と安全保障を基本使命とする国連安保理が主権国家の自衛的な措置に言い掛かりをつけたのは、国連憲章に明示されている自主権尊重の原則に対する乱暴な蹂躙(じゅうりん)である。
これは、国連安保理が米国の利害関係によって動く政治的道具に過ぎないということを再度傍証する。
われわれは、今のように鋭敏な時に米国がわが問題を論議する国連安保理の公開会議を主導して対朝鮮圧迫の雰囲気を鼓吹したことに対して絶対に黙過しないであろう。
自衛的軍事力を育むのが国際平和と安定を破壊する行為になるなら、各国の国防力強化措置も全て問題視されなければならないという結論が出る。
自分らは時を構わず大陸間弾道ミサイル(ICBM)を打ち上げてもよく、われわれはどの国も行う兵器実験もしてはならないという主張こそ、われわれを完全に武装解除させようとする米国の白昼強盗さながらの本性を赤裸々に示すものである。
米国が折に触れ、対話うんぬんを並べ立てているが、たとえ対話を行うとしても米国がわれわれに出すものがないということはあまりにも自明である。
米国が今回の会議で「相応の対応」だの、何のとけん伝したが、すでに宣明した通りわれわれはこれ以上失うものがなく、米国が選択するいかなることにも相応の対応をする準備ができている。
米国は、今回の会議招集を機に我が手で首を絞めるような愚かな行為を働いたし、われわれをしてどの道を選ぶかに対する明白な決心を下すのに決定的な助けを与えた。---
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