勝田貴元がラリーチーム『TK motorsport』を設立。FDJ王者KANTAを起用し全日本ラリーへ参戦
1月10日、WRC世界ラリー選手権に参戦する勝田貴元がラリーチーム『TK motorsport』を立ち上げたことを発表した。2024年よりJRC全日本ラリー選手権に新設されるカテゴリーに、2023年のフォーミュラ・ドリフト・ジャパン王者、D1グランプリ・タイランドシリーズ王者で23歳のKANTAをドライバーとして起用。コ・ドライバーには保井隆宏という布陣で、ラリー三河湾から参戦を開始し、今季開催されるターマック戦の全6戦に参戦予定だと明らかにした。
TOYOTA GAZOO Racing(TGR)からWRCに参戦するべく、フィンランドを拠点に活動を続けている勝田。そんななかで、欧州でのラリー人気やモータースポーツに対する理解を肌で感じたという勝田は、日本でのモータースポーツ文化の定着に貢献したいという思いを抱き、「まずはラリーに興味を持ってくれた若手ドライバーにチャンスを広げてラリーに挑戦する若者を増やし、そこからモータースポーツ全体の盛り上げにも繋げていきたいと考え、チームの立ち上げに至りました」としている。
なお、チームは愛知県長久手市を拠点とし、今後はKANTA以外の若手選手のサポートも視野に入れて活動をしていくとのことだ。
チーム代表の勝田はTK motorsport発行のプレスリリースにおいて、チーム設立に至った自らの思いを綴っている。勝田、KANTA、保井のコメントは以下のとおりだ。
■勝田貴元(チーム代表)コメント
「ラリーは日本ではまだまだ認知度が低く、また全日本ラリーなど本格的な競技に参戦するには資金面でのハードルが高いため若い選手が思うように挑戦できない現状があります。私はレーシングカートからモータースポーツを始め、フォーミュラカテゴリーを経てラリーに転向しましたが、そこにはいつも家族や環境の支えがありました」
「特にラリーへの転向時はとても大きな決断で、転向後も多くの困難に直面しましたが、その支えのおかげでここまで来ることができました。この経験から、父や祖父が自分にしてくれたように次は自分が若手ドライバーに対して同様の環境を与えていければと思いチームの立ち上げを決めました」
「私がお世話になったWRCチャレンジプログラム。若手ドライバーの挑戦を一から全面的にサポートするこのようなプログラムは世界的に見ても稀です。このプログラムのおかげで今の自分があるので、その恩返しの意味も込めて、今後の選考会に少しでも多くのドライバーを送り出せるよう貢献したい、また若いドライバーに少しでも多くの実践経験を積んでほしいと考えています」
「KANTA選手との出会いは昨年10月のFDJ岡山。KANTA選手は金曜のフリー走行から目を惹く走りをしていましたが、決勝でも刻々と変わる困難なコンディションにも臆せず、攻めながらも一線を超えない、息を呑むような走りに完全に魅せられました。彼は走りだけでなくパーソナリティも素晴らしく、成長に対してとても熱い想いを持っています。そんな彼と共にTK motorsportとしての第一歩を踏み出せることをとても嬉しく思っています。KANTA選手の恩師であり、我々の挑戦を快く承諾してくださったエビスサーキットの熊久保社長にはとても感謝しています」
「チーム代表として責任を持って、経験豊富な保井選手と共にチームの皆でKANTA選手の挑戦をサポートしていきます。TGRのチーム同様、ファミリー感溢れるチームを作り、勝田貴元として、ラリーチームとして、次世代のドライバーをサポートしていきます。チーム代表としてもチームとしても初めてのことばかりですが、一歩ずつ着実に成長しながら、将来的にはドライバーだけでなく若手メカニックやエンジニアもサポートしていければと思っていますので、応援していただければ幸いです」
■KANTA(ドライバー)コメント
「今シーズン、TK motorsportから全日本ラリーに参戦させていただくことになりました。まず、ラリーに挑戦する機会をくださった貴元さんにとても感謝しており、一緒に戦えることを心から嬉しく思います。私にとってラリーは初めての挑戦となるので今は不安とワクワクが入り混じっていますが、経験豊富な保井さんと貴元さんの力をお借りして、いち早く成長し、良い結果を出すために全力を尽くします。3月の開幕戦がとても楽しみです!」
■保井隆宏(コ・ドライバー)コメント
「今シーズンから新設される若手ドライバー育成カテゴリーに、TK motorsportからKANTA選手とともに参戦できることを大変うれしく思っています。これまで様々なチーム、クルマ、ドライバーと共に国内外問わず数多くのラリーを経験させていただき、コ・ドライバーとして今季で20年目のキャリアを迎えます。自分が蓄積してきた経験をこれからの若い選手に少しずつでも伝えていければと思っています。KANTA選手とコンビを組むのはもちろん初めてですし、そもそもラリー経験がない状態からのスタートなので最初はいろいろと苦労する部分もあると思いますが、焦らずにステップ・バイ・ステップでともに成長していければと思っています」
「勝田貴元」をもっと詳しく
BIGLOBE旅行 都道府県民限定プランのご紹介♪
「勝田貴元」のニュース
-
トヨタがサファリ4連覇達成。ロバンペラが今季初勝利、勝田貴元は2位表彰台を獲得/WRC第3戦ケニア3月31日21時50分
-
3台中2台にタイヤトラブルも上位キープのトヨタ。勝田貴元は鬼門乗り越え総合2番手に/WRC第3戦ケニア3月31日10時15分
-
「忍耐強く」がサファリの心得か。賢明さが奏功し勝田貴元が3番手浮上/WRC第3戦ケニア3月30日11時29分
-
勝田貴元が貫いた攻めの姿勢。「2位でいいとは思わなかった」紙一重の領域で繰り広げた優勝争い2月22日11時52分
-
勝つために攻めた勝田貴元「さらにタイムを稼ぐつもりだった」。最終日のポイント目指し再出走へ2月18日9時57分
-
勝田貴元が雪壁に無念のクラッシュ。ラッピが首位独走、フォードのフルモーが2番手に/WRC第2戦2月18日7時23分
-
勝田貴元が大雪のなか総合首位争い。「明日は楽な状況になるはず」とラトバラ代表/WRC第2戦2月17日10時48分
-
1.4秒差の総合2番手につけた勝田貴元「思い通りに走ることができた」/WRC第2戦 デイ1後コメント2月16日12時55分
-
雪国の高速ラリー始まる。シェイクダウンは今季初陣のラッピが最速、勝田貴元は7番手/第2戦スウェーデン2月15日22時49分
-
WRC新導入のポイントシステムを選手らは疑問視。勝田貴元も感じた困惑とポジティブな面2月2日16時59分