ジャック・ビルヌーブ、フェラーリF1若手育成プログラムの意義に疑問を呈す
1997年F1ワールドチャンピオン、ジャック・ビルヌーブが、フェラーリの若手ドライバー育成プログラムであるフェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)の意義に疑問を投げかけた。メンバーの多くが、モータースポーツの世界で成功するために必要な支援は、すでに自ら獲得できていたと、ビルヌーブは考えている。
過去数年間にわたり、フェラーリは数多くの若い才能を支え、育成してきた。その内のシャルル・ルクレールとアントニオ・ジョビナッツィのふたりが現在F1で活動中だ。
そして2021年シーズンには、ミック・シューマッハーが3人目のドライバーとしてF1に昇格、スポットライトを浴びることになる。しかしビルヌーブは、アカデミー門下生の大半は、フェラーリの育成プログラムの恩恵を受けずとも、自ら成功に向けて前進することが可能だと主張する。
「ルクレールを除けば、みんなアカデミーに加入した時点で資金を持っていた」と、ビルヌーブは『Sky Italia』の取材に対して語った。
「アカデミーに入った時点で、十分な活動資金が手元になかったのは彼だけだった」
「しかし他のメンバーは、誰もが活動の過程で役に立つだけの、それなりの予算を獲得していた。もちろん、それでも上へ行くためには自らの努力が求められる。だが仮にフェラーリの支援がなかったとしても、全員が現在の場所にはたどり着いていただろう」
今年、アカデミーの主だった有望株にはカラム・アイロット、ロバート・シュワルツマン、マーカス・アームストロングなどが含まれる。さらに20歳のアーサー・ルクレールが、新たなメンバーとして加わった。
ビルヌーブは、よく知られた苗字を持つシューマッハーは、FDAの仲間たちと比べて特別なケースにあたると考えている。
有名な苗字に対して抱かれる過大な期待と向き合うことの大変さを理解しているビルヌーブは、「当然、近年のミックはその苗字のおかげで大きなプレッシャーにさらされてきた」と語った。
「彼は明らかにその種のプレッシャーを感じてきたはずだし、そこから学ぶこともあっただろう。そこがアカデミーの他のメンバーたちとの大きな違いだ」
「著名な苗字を背負っていれば、ときに役立つこともある。しかし同時に大きなプレッシャーも受けることになる。人々からは今すぐ結果を出すように求められるし、メディアからの扱いも決して楽しいものではない。なにしろ自分の父親に関する質問が多いのだから」
「答え方に困る質問もある。たとえば自分が良い結果を出した後、誰に感謝したいかと聞かれるようなときだ」
「彼らは、父親に感謝するとかそれに類する答えを聞きたがっている。しかし、たとえばミックのような男にとって、それは難しい質問でしかないんだ」
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