「1年を通して不満を抱えた人が数多くいる」規則や意思決定プロセスの見直しを求める声にマクラーレンF1のブラウンも賛同
マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザク・ブラウンは、現在のレギュレーションおよびそれらに関する意志決定のプロセスについて、幅広い見直しを求める声に賛同した。
2021年シーズンの締めくくりが物議を醸していることから、こうした声が上がっている。レースコントロールが下した多くの判断が、最終戦アブダビGPと、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とルイス・ハミルトン(メルセデス)のドライバーズ選手権を巡る結果全体に重大な影響を及ぼしたのだ。
メルセデスは当初、レース結果に申立てを行ったが却下された。チームは控訴を進めることを断念したが、レース終盤にどのような対応がなされたのか“詳細な分析”が行われることを保証された。
ブラウンは、この調査は拡大して行われるべきであり、FIAは関係者全員にとって状況が明確になるように、既存のルールとその解釈について幅広い見直しを行う必要があると述べている。
「誰もがかなり混乱していると思う」とアブダビでの状況について尋ねられたブラウンは『RACER』に語った。
「当然ながらあそこには勝者と敗者がいた」
「あれは過去の出来事から逸脱しているように見える。バクーでのことを振り返ると、赤旗が直ちに出された。それによって我々の結果は変わらなかったが、オフシーズンの間にレギュレーションの多くを見直す必要があると考えている」
「さかのぼってみると、レギュレーションとその適用の仕方、タイミングに一貫性がないことが多くあった」とブラウンは続け、ドライバーペナルティがその代表例だと語り、第9戦オーストリアGPでのランド・ノリス(マクラーレン)とセルジオ・ペレス(レッドブル)のクラッシュを例に挙げた。
「オーストリアでのファーストラップで、ランドはペレスに接触していない。彼はペレスにアウト側を通過させようとしたのだが、5秒ペナルティとペナルティポイント2点が科された」
「ブラジルでは、マックスとルイスのふたりともがコースを外れたが、『彼らにレースをさせろ』ということになった。どのチームにもこうした話がある。それが主観的なものであると難しいが、一歩離れて見る必要があると思う。1年を通して不満を抱えた人たちが数多くおり、ルールを検討する必要がある」
またブラウンは、間に立たされたオフィシャルたちに同情していると述べた。
「どのスポーツでも審判を務めるのは大変なことだ。ファンの半分は審判の判定に賛成し、残りの半分は反対するからだ」
「また、これらのルールのほとんどを決めたのは全チームであることを覚えておかなければならない。私はルールについて話し続けるが、各チームがあまり反論しないことを望む。なぜならこれらルールの半分を作り出したのは我々だからだ」
ブラウンが間違いなく止めたいことのひとつは、テレビの生中継でチーム代表たちとレースディレクターのマイケル・マシとのやり取りを放送することだ。F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンも同様に考えている。
「私は好きではない。特にそれが放送されることはね。ロスは今後は行わないと話している」
「カメラが撮影しているので、一部のチーム代表たちはそれを分かっていて発言している」
「複数の人物が何度もマシに話をする。そうして影響が積み重なっていくのだ。審判に対し、自分たちに都合がいい話ができるべきではない。それでは多くの者が審判に長々と話をしようとするだろう」
「そしてテレビの生放送が、そこにさらなる様相を加える。スポーツがこのように運営されるべきだと私は思わない。それが人々の行動を変えてしまったと思う」
「我々のチームでは、FIAと話をするのはただひとりだけだ。だから私はロスが言っていることを指示している。舞台裏はそうあるべきだと考えている」
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